2024年 4月 19日 (金)

「なでしこ」金メダルの可能性は W杯優勝監督・佐々木則夫が占う【特集・目指せ!東京2020】

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守備で「絶対に負けない」と取り組めるか

――佐々木さんから高倉監督に代わり、なでしこジャパンには、どのような魅力が増えましたか。

佐々木 私のチームは守備がしっかりとしていました。高倉監督のチームは、ボールを持っている連動した攻撃の展開・精度に魅力があります。小柄でも、パスセンスや敏捷性やボールテクニックに抜きんでた選手が多く、日本人らしいサッカーで魅了してくれます。それに加えて、日本の女性の目配り・気配りの凄さを守備にプラスアルファして欲しい。守備の部分で個人と連携を卓越させることを、東京五輪までに期待したいです。

――守備の意識向上がなでしこジャパン躍進のカギになる、と。

佐々木 女子W杯を見ていて、自分の特異性(得意なプレーや特徴)だけでサッカーをやるのではなく、献身的な中身・心のあるプレーが必要だと感じました。特に守備においてです。守備は、相手の攻撃に対し、予測や連携が凄く大事になります。その中で時折(マークの受け渡しやポジションにしっかりと戻るなどで)エクスキューズが発生するのですが、そこで「絶対に負けない」と取り組めるかどうかです。選手たちが守備の部分を意識すれば、メダルをとれるのではないでしょうか。

――佐々木さんは現在、女子サッカーの普及や東日本大震災被災地の支援に取り組まれています。最近では官民一体事業「日本全国DOスポーツ活性化プロジェクト」が、スポーツ実践の機会づくりに貢献する100大会・イベントに最大100万円、総額1億円をサポートする企画において、サッカー部門の選考委員に選ばれました。どのような思いがありますか。

佐々木 企画や楽しいイベントのノウハウがあったとしても、スポーツイベントの運営は(金銭的にボランティア頼みなど)様々な面で大変な部分も多い。そこを、今回の「総額1億円サポート企画」はフォロー出来ます。素晴らしい企画ですよね。実は先日、海堀あゆみ(元なでしこジャパンGK)から「女子サッカーを広めていきたい」ということで企画の相談があったので、凄くタイムリーだなとも思いました。

*取材後の2019年12月10日~18日に行われたEAFF E-1 サッカー選手権2019決勝大会で、なでしこジャパンは無失点で優勝した。


佐々木則夫(ささき・のりお)
1958年5月24日生まれ。山形県尾花沢市出身。明治大学を経て日本電信電話公社に入社し、電電関東/NTT関東サッカー部(大宮アルディージャの前身)でプレー。
1981年には全国社会人大会で優勝を経験。1986年には全国地域リーグ決勝大会での優勝。同サッカー部は日本サッカーリーグ2部に昇格した。
ジャパンフットボールリーグ時代の大宮アルディージャ監督を務め、その後は大宮の強化普及部長及びユース監督を歴任。
2006年1月1日から、サッカー日本女子代表コーチ及びU-17日本女子代表監督に就任。2007年からはU-20日本女子代表監督を務め、同年末、日本女子代表監督に就任し、その後、記事冒頭のとおり多くのタイトルを獲得した。
2012年1月9日、2011年度のFIFA年間表彰式においてアジア出身者初となるFIFA女子世界年間最優秀監督賞を受賞。
2016年、代表監督を辞任し、同年4月十文字学園女子大学副学長に、また11月より大宮アルディージャトータルアドバイザーに就任した。

文:石井紘人(いしい・はやと)
ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。
著作に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)、プロデュース作品に久保竜彦が出演した『弾丸シュートを蹴る方法』(JVD)がある。
『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「静寂から熱狂そしてリスペクト」などを寄稿。
株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作した『審判』の版元でもある。

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