2020年 11月 25日 (水)

「コロナ後」向き合うべき量的金融緩和と財政問題

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■『アフターバブル-近代資本主義は延命できるか』(著・小幡績、東洋経済新報社)

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   コロナ本が書店に溢れている。「新型コロナで世界は大きく変わった!」というのが基本的な論調だろう。そんな中、「社会が一変するはあり得ない」とし、これまでの世界的な量的金融緩和によるバブルの終焉の後に来るバブル、「バブル・アフターバブル」を予測するのが本書である。

マスク問題は日本固有の流通問題

   本書は全体としてメディアや巷の専門家・エコノミストが大きく取り上げるコロナショックや新型コロナウイルス対策に対して、冷静に分析し、雰囲気的に否定することがタブーになっている主張に対して明快な批判を展開している。

   まず、中世以降の資本主義経済の推移を短期、中期、長期のバブルの連続で分析し、その中で、コロナショックをリーマンショック以降の短期のバブルの終焉期と位置づけ、新しいバブルを生みだしつつあるとしている。100年に一度の危機とか史上最大級の危機とは認識しない。しかし、現状認識を誤った政府による過剰なコロナ対策による次のバブルが財政破綻という大きなリスクをはらんでいるとしている。

   こうした認識の背景において、コロナショックは90年代のバブル経済の崩壊やリーマンショックのようなストックショックではなく、経済活動の一時的な自粛に伴うフローショックであると指摘し、短期的に回復は可能と分析する。同時に、供給ショックは存在しないと指摘し、3月頃に話題となったマスク問題も世界的な供給問題ではなく日本固有の流通問題と見る。また、現状では金融システムも盤石であり、むしろ継続される量的金融緩和に大きなリスクを見いだしている。経済だけではない。PCR検査万能主義にも鋭い批判を展開している。さらに、新型コロナに限らず、原発や自然災害を含め、ゼロリスク神話という「安心」神話が日本人の思考停止を生んでいると論破している。

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