2021年 1月 20日 (水)

タカラトミーとアツギ「炎上」の背景 企業公式SNS「中の人」問われる資質

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■短期集中連載(第1回)

   タカラトミーとタイツメーカー・アツギの企業公式アカウントが2020年10月と11月に、それぞれ炎上した。両社は「個性」を出して、親しみの持てる柔らかい表現でツイートやリプライをし、多くのフォロワーと交流する運用形態を取っていた。

   企業の運用に問題があるのか、それとも情報を受け取るユーザー側の意識が変わってきているのか。ソーシャルメディアサービス事業を手掛けるガイアックス(東京都千代田区)ソーシャルメディアマーケティング事業部部長・重枝義樹氏に原因を分析してもらった。

  • ガイアックス・ソーシャルメディアマーケティング事業部の重枝義樹部長
    ガイアックス・ソーシャルメディアマーケティング事業部の重枝義樹部長
  • ガイアックス・ソーシャルメディアマーケティング事業部の重枝義樹部長

「そもそも許されない」コミュニケーションだった

「ユーザー側の意識の変化の方がより大きい。ただ、企業アカウント側の運用には、以前から同じような問題はあり、それが見過ごされてきた、あるいは炎上というレベルまではいかなかったということでしょう」

   重枝氏がまず例に取ったのが、10月24日に着せ替え人形「リカちゃん人形」に関連して不適切ツイートしたタカラトミーだ。「#個人情報を勝手に暴露します」として、リカちゃんの誕生日や身長・体重を投稿。さらに、音声サービス「リカちゃんでんわ」の電話番号と共に「昨日の夜はクリームシチュー食べたって教えてくれました。こんなおじさんにも優しくしてくれるリカちゃん...」と書き込んだ。

   当時トレンドワードに入っていたハッシュタグを使い、ウケを狙ったと思われるが、「女児への性犯罪を連想させる」、「気持ち悪い」と批判が相次いだ。重枝氏は「タカラトミーは女児(とその保護者)が顧客なので、そのようなコミュニケーションはそもそも許されない」と断じた。

   19年6月に行われた株主総会では「今までの(企業公式ツイッターの)イメージを覆すような、ノリの良い兄ちゃんのような感じ」と評されつつも、「危なっかしいところもあり、暴走してしまうのでは」と指摘されていたという。重枝氏は、こう話す。

「今回、炎上した理由と同様の指摘は以前よりあったが、謝罪に追い込まれるような炎上にまで発展していなかった」

怒りを共有して繋がりやすく

   アツギは「タイツの日」の記念企画「#ラブタイツ」で、複数のイラストレーターが描いた「同社商品を着用した女性キャラクターイラスト」をRTや引用RTで紹介し、「素敵なイラストばかりで、動悸がおさまらない中の人」と投稿。結果、「性的な目線」を感じるとの指摘を数多く受けた。重枝氏は、企画を行うのが数年前だったら「嫌悪を抱いた人たちもいただろうが、炎上事態にまでは発展していなかった可能性もある」と言う。

   企業公式アカウントによる失言や、ジェンダーに無神経な企画。かつては見過ごされたかもしれない。だが今日では批判され、炎上にまで発展することも。その理由を重枝氏は、こうした「炎上事例」にユーザーたちが「より怒りを共有して繋がりやすくなっている」と説明した。

   これは、どういうことか。

「本来受けなくていい不当な抑圧」と気づいた

   「#ラブタイツ」企画で言えば、防寒やおしゃれ目的で利用する「日用品」としてタイツを履いていたユーザーが、アツギの投稿から「タイツを履くと、性的な目で見られる」と受け止めて不快感を覚え、「怒り」をツイッター上で発露させている例がいくつも見つかる。

   重枝氏曰く「怒りはインターネットで拡散しやすい感情のひとつであり、ひいては炎上につながりやすい」。今までは、心の内側で処理されていた性的な抑圧や違和感、「諦め」や「悲しみ」という感情について、「本来受けなくていい不当な抑圧だったんだ」と気づき、「怒り」となって外側に噴出しているという。それを他のユーザーが、賛同や共感の意味を込めて引用ツイートやRTを行い、拡散するのだ。

   次回は、企業ツイッターの運用担当者がこうした怒りによる炎上を避けるために心掛けるべきこと、万一炎上した場合の対応を紹介していく。(第2回に続く)

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