2021年 3月 2日 (火)

土地の記憶を知る

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人がつくった土地もある

   本書では、自然がつくった地形(自然景観)を人間が手を加えて利用している場合(文化景観に変えた)のほか、土地そのものを人がつくった場合(はじめから文化景観)も、ひとつのテーマとしてとりあげられる。有明海や児島湾、琵琶湖周辺の付属湖や八郎潟のような潟湖の干拓地、東京湾や大阪湾の埋立地、整地して作られたニュータウンや工業団地などだ。

   こうした土地は、社会や経済に果たした役割も大きかったが、他方では、環境改変の影響や圧密による地盤沈下、地震や津波など不測の事態が生じた際のインフラ等への影響などが心配されることになる。

   土木や建築技術の進歩で人の生活範囲は大きく拡大した。構築物は安全で強固なものとなり、想定されるリスクが洗い出され、一定の備えも行われていると、我々はつい安心してしまうところがある。しかし、近年の自然災害は、想定を超える、あるいは想定外の事態があっさりと起こり得ることを教えてくれた。川沿いの高層マンションや鉄道の車両基地の浸水、湾岸地域の液状化などの映像は、大きなインパクトがあった。

   筆者は、土地には、堆積や浸食などの地形変化をはじめ、地震や山崩れなどの災害の痕跡などが刻み込まれているという。人間が作った土地では、土地造成の経過も刻み込まれていることになる。それほど広くない国土で上手に土地を活用し、かつ災害と向き合うためには、正確に読み取ることは難しくても、その土地の記憶を知ろうとすること、その景観はどのような経緯でそこにあるのか、そういったことも考えてみようとする姿勢をもつことが大切なように思われる。

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