2021年 2月 28日 (日)

医療崩壊は本当に起きるのか 現役医師が「文藝春秋」で指摘した「弱点」

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日本の病院は「常に満床を目指して運営」

   森田さんはやや変わった経歴だ。1971年生まれ。いったん一橋大学経済学部を卒業してから、宮崎医科大学医学部で学び、2009年より北海道夕張市立診療所に勤務。同診療所所長を経て、鹿児島県で研究・執筆・診療を中心に活動している。2020年、鹿児島県南九州市にクリニックを開業。著書に『破綻からの奇蹟』(南日本ヘルスリサーチラボ)、『医療経済の嘘』(ポプラ新書)などがある。経歴からもわかるように、医療問題について「経済」の角度からのアプローチが際立ち、「医療経済ジャーナリスト」の肩書も持つ。

   2020年9月刊の『日本の医療の不都合な真実――コロナ禍で見えた「世界最高レベルの医療」の裏側』 (幻冬舎新書)でも、日本の医療システムの硬直性を論じていた。都内には約12万の病床があるが、ごくわずかしか感染症病床として使われていないことなどを例に挙げ、日本の病院は「常に満床を目指して運営されており、想定外の事態のために空床を確保しておく余裕が取りにくい」、それゆえ「世界一の潤沢な医療資源を有事の際にスピーディーに運用・活用することができない」ことを指摘していた。

   共同通信によると、政府は13日、新型コロナウイルス対応を話し合う与野党との連絡協議会で、感染症法改正により、入院拒否の感染者に対して1年以下の懲役または100万円以下の罰金を想定していると説明したという。

   今回の文春の論考で森田さんは、最前線で苦闘している医療関係者が本当に求めているのは、「感謝のメッセージでも、表面的な法整備でも、場当たり的な対策でもない。真に国民の命を守ることが出来る、誰かの犠牲で成り立つのではない無理のない医療システム」だと強調し、柔軟性のある医療システムの構築に向けて国民的議論の必要性を訴えている。

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