2024年 4月 27日 (土)

東京五輪の夜空を彩ったドローン アフガンでは兵器としての「裏の顔」

祝祭と戦争が表裏一体

   中国も、兵器としてドローンを使うことを研究していることはよく知られている。18年12月28日の朝日新聞は「米中争覇」という特集記事で、大々的に中国のドローン兵器を取り上げていた。「AI兵器開発、米中しのぎ ドローンが攻撃判断、『自動戦争』に現実味」という大見出し。とりわけ、記事本文の冒頭シーンは強烈だった。

「赤土がむき出しになった中国の山あいを、ドローン(無人機)が鳥の群れのように舞った。その数119。人工知能(AI)が機体を制御し、集結や分散を繰り返す。攻撃目標を発見すると、2群の編隊に分かれてぐるりと取り囲んだ・・・」

   中国の国有企業「中国電子科技集団」が開いたAI技術の発表会で、プレゼンされた時の映像だという。別な映像では、人工衛星を通じて指令が送られ、無数のドローンによる攻撃で高層ビルが立ち並ぶ都市が火に包まれる・・・。ドローンが、IT時代の新兵器としてきわめて有効で、「無限の可能性」を秘めているということを見せつけたという。

   自在な動きということでは、東京の夜空を彩った「ドローンショー」と重なる光景だ。東京では1824機のドローンがLEDの光で夜空にエンブレムを描いて喝采を浴びた。

   使われたのは米インテル製のドローンだった。アフガニスタンの空爆で使われていたドローンが、同社のものかどうかは分からないが、米国もしくは同盟国企業製であることは間違いないと思われる。

   東京の夜空の華麗なショーと、はるか遠くのアフガニスタンのリアルな空爆が、「ドローン」によってつながっている。ハイテク時代が進んで、祝祭と戦争、民需と軍需は表裏一体だ。

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