「クラッシュ・バンディクー」の運命 プレステの顔がマイクロソフト行きか

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   米マイクロソフトが、米ゲーム会社「アクティビジョン・ブリザード」を買収する。同社は、人気ゲーム「コール・オブ・デューティ」シリーズや「クラッシュ・バンディクー」シリーズを発売している。買収は2022年1月18日に発表された。

   「クラッシュ・バンディクー」はもともと、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)がPS(プレイステーション)1専用ソフトとして発売していた。SCEは、現在のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)だ。

  • Xboxを中心に(画像は「クラッシュ・バンディクー」公式サイトから)
    Xboxを中心に(画像は「クラッシュ・バンディクー」公式サイトから)
  • Xboxを中心に(画像は「クラッシュ・バンディクー」公式サイトから)

1996年に第1作、PS1専用全5作

   「アクティビジョン・ブリザード」は、仏メディア企業ビベンディ(Vivendi)のゲーム部門「Vivendi Games」とゲーム会社「Activision」が2008年に合併、設立した。「クラッシュ・バンディクー」の商標権は2022年1月19日現在、同作公式サイトによるとアクティビジョン・ブリザードの子会社「Activision Publishing」が所有する。

   第1作「クラッシュ・バンディクー」は1996年12月6日にPS1用ソフトとして、SCEから発売。横だけでなく、画面の奥へ向けても主人公を操作できる「奥スクロールアクションゲーム」を掲げ、100万本以上を売り上げた。続編の「クラッシュ・バンディクー2」(1997年)や「クラッシュ・バンディクー カ〜ニバル」(2000年)など、計5作がPS1専用で発売された。

   アクションゲームとして人気を博し、2018年10月18日付「4Gamers.net」は、同シリーズが「初期PlayStationの顔となった」と評している。

   ただ、PS2向けに2001年発売された続編「クラッシュ・バンディクー4 さくれつ!魔神パワー」では、発売元がコナミデジタルエンタテインメントに変わった。同作は翌02年にはマイクロソフトのゲームハード「Xbox」、03年には任天堂の「ゲームキューブ」でも展開され、シリーズはPSシリーズ以外のハードでも売られていくようになった。

   シリーズの権利関係の正確な経緯は、判然としない。海外のゲームメディア「GAMERANT」の22年1月18日付記事によれば、クラッシュ・バンディクーシリーズに関する権利はソニーではなく、ユニバーサルインタラクティブという会社が完全に所有。ソニーとの間で、PS1限定でクラッシュ・バンディクーを発売していくと契約していたという。この契約の終了後、他社のハードでも同シリーズを提供するようになっていたと記事では伝えている。

PS4でも発売されたが

   「GAMERANT」の記事によると、ユニバーサルインタラクティブは最終的にVivendiと合併。そして2008年ユニバーサルインタラクティブの流れを汲む「Vivendi Games」と「Activision」が合併し、今回買収された「アクティビジョン・ブリザード」が設立された。なお18年3月9日付ITmedia記事によると、この記事時点でもアクティビジョン・ブリザード社がクラッシュ・バンディクーシリーズの「権利」を所有していた。

   ソニーとクラッシュ・バンディクーの関係は、切れたわけではない。2017年にはSIEが発売元となってPS4向けゲーム「クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!」が発売された。なお同作は18年、セガからも「Nintendo Switch」向けに発売されている。

   傘下企業が商標権を所有するアクティビジョン・ブリザードが、ハードメーカーとしてソニーのライバルとされるマイクロソフトに買収されると発表され、ツイッター上やインターネット掲示板では「元ソニーの看板がMSのもとへ行くのか」などと話題になっている。

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