ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は、定額制サブスクリプションサービス(サブスク)「moraqualitas(モーラクオリタス)」の提供を2022年3月29日で終了する。音楽サブスクリプションには多くのサービスが生まれたが、徐々に淘汰が進んできた印象だ。シェア上位に利用者集中今回終了が発表された「moraqualitas」は、月額1980円(税抜き)で、「ハイレゾ」音源を聞ける音楽サブスクとして2019年11月にリリースされた。日本国内で高音質音源であるハイレゾ対応サービスとしては、「AmazonMusic HD」に続いて2番目で、「開拓者」とも言える位置付けであった。現状では「Spotify」はじめ、海外勢が強力だ。現在、日本企業が提供する音楽サブスクには、楽天の「楽天ミュージック」や、大手通信会社KDDI(au)の「うたパス」、NTTドコモの「dヒッツ」がある。一方、今回のSMEと同様、過去に類似のサービスが終了した事例は複数みられる。ドコモが同社ユーザー限定で提供していた「dミュージック」月額コースは、2021年9月30日に提供終了となり、「TOWERRECORDSMUSICpoweredbyレコチョク」が引き継いだ。また、ソニーが提供していた「MusicUnlimited」は2015年3月に終了し、「Spotify」と協力して新サービス「PlayStationMusic」を立ち上げている。調査会社のICT総研が2020年11月13日に発表した「2020年定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」では、1位はアマゾンの「PrimeMusic」以降、2位「Spotify」、3位「AppleMusic」、4位「LINEMUSIC」、5位「AmazonMusicUnlimited」と続く。他にも、「GooglePlay/YouTubeMusic」や「AWA」、「dヒッツ」の名が挙がっていた。調査では、上位5つのサービス利用者が増えたとある一方、次のように総括されている。「その他のサービスの利用率は前年並みかマイナスとなっているものが多く、シェア上位のサービスに利用者が集中する傾向が見られる」グーグルも苦戦若年層へのアンケート調査を行う「TesTeeLab」が、2021年1月19日に同社掲載で公表した調査結果でも、同様だった。1位「AppleMusic」、2位「AmazonMusic」、3位「Spotify」を合計した割合は、73.3%になっている。巨大企業グーグルすら「苦戦」だ。日本では2015年10月からサービス提供を始めた「GooglePlayMusic」と、」18年11月開始の「YouTubeMusic」。米ウォールストリートジャーナル(電子版)は2019年5月8日付の記事で、グーグルの音楽サブスクが新規有料会員の獲得に苦戦してることを伝えていた。結局、両サービスは統合することになる。「GooglePlayMusic」は、2020年9月に終了し、「YouTubeMusic」に移行した。
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