iPhone用基本ソフト「iOS」の開発者向け最新バージョンに、マスクを着けたままでも顔認証でロックを解除できる機能が搭載されたという。2022年1月28日付のCNET(日本語版)によれば、同27日にリリースされた「iOS15.4」ベータ版(テスト版)に実装された。同記事は、ベータ版では顔認証機能「FaceID」を、マスクやメガネをかけながら使えるようになったと伝えた。一般向けのiOSでは、未実装だ。米アップルでは以前から、腕時計型端末「AppleWatch」の利用者であればマスクをしながらロック解除できる機能を提供しているが――。ロック解除目的で買ったのに新型コロナウイルス禍では、マスクを着用しているとスマートフォン(スマホ)の顔認証機能を使えない不便さを訴える声が、たびたびあがる。iPhoneシリーズでは、2017年発売の「iPhoneX」以降指紋認証ではなく、「FaceID」採用が主流になった。ただ、「FaceID」での認証は用いず、「AppleWatch」との連携により解除できる機能がある。21年4月16日にリリースの「iOS14.5」から実装された。「AppleWatchSeries3」(17年発売)以降のAppleWatchを手首に装着し、iPhone端末に視線を向ければ「解錠」となる。公式サイトによれば、AppleWatchSeries3シリーズの価格は2万2800円(税込・以下同)から、最新の「AppleWatchSeries7」は4万8800円からとなっている。「iOS15.4」はベータ版段階で、一般公開されていない。今後、iPhoneだけでマスク顔でもロック解錠できるようになったら、AppleWatch購入者は心境複雑かもしれない。ツイッターには、こんな嘆きが複数見られる。「ロック解除のために買ったAppleWatch、売ろうかな」。海外のウェブメディア「9to5Mac」は22年1月27日付記事で、「iOS15.4」はまだ開発中のため、マスクでの顔認証を一般で利用できるようになるまではしばらく時間がかかると指摘している。
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