2024年 4月 26日 (金)

物価高は「節約」で乗り切れるか 賃金アップはいつになるやら

   サントリーのペット飲料、スシローの回転ずし――相変わらず身近な商品の値上げ発表が続いている。そうした中で、いかにして暮らしを守っていくか。このところ、各種メディアで「節約術」に関する記事が目立つようになっている。

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回転ずしやペットボトル飲料も値上げ

   サントリー食品インターナショナルは2022年5月16日、緑茶「伊右衛門」など165品目を10月1日出荷分から値上げすると発表した。朝日新聞によると、値上げ幅は希望小売価格(税別)で6~20%。大半の商品で今より20円引き上げる。対象はペットボトルとボトル缶入りの商品で、全品目の約6割に及ぶ。

   ペットボトルの原料や砂糖、コーヒー豆の価格が、円安傾向もあって上昇していることなどが理由だ。500ミリリットル前後が中心の小型ペットボトルの希望小売価格を引き上げるのは1998年3月以来、約24年ぶり。

   回転ずし大手の「スシロー」を運営するフード&ライフカンパニーズも9日、にぎりずしなど一部メニューを10月1日から10~30円値上げすると発表した。毎日新聞によると、1984年の創業以来、最も安いすしは1皿税抜き100円を維持して集客につなげてきたが、値上げに伴い終了する。食材の調達費や物流コストの上昇を価格に転嫁せざるを得なくなったという。

   これらの例でもわかるように、値上げラッシュの中で、早々と10月以降の値上げまで公表される深刻な事態となっている。

「食品ロス」を減らす

   最近の諸物価値上げには、原油など資源価格の高騰、円安、ウクライナ情勢、コロナなどの要因が絡み合っている。日本ではまだ消費者物価は前年同月比で2%ほどのアップだが、企業間の取引を示す企業物価は一足先に10%も上がっている。今後、消費者物価に波及する可能性が高いとされていることもあり、各メディアでは「生活防衛」「節約」に関するニュース記事が目立つようになっている。

「値上げ時代の食費節約術 『買い物は3日に1回』で家庭の食品ロスゼロも実現」(マネーポストWEB、5月16日)
「カギは『通信費』と『食費』 値上げラッシュに耐える節約術 見直しで月数万円もお得に!」(夕刊フジ、5月13日)
「これだけで電気代が月1200円安くなる 値上げラッシュをどう乗り切る?」(CBCテレビ、5月13日)

   マネーポストは「食品ロス」を減らすことを提案。「食料品は、平均で1~2割値上がりしているが、一般的に購入した食材の1~2割が捨てられていることを考えると、買ったものを使い切ることで相殺できる可能性が高い」と提案する。

   夕刊フジは、携帯電話料金に注目。節約アドバイザーが「大手キャリアでなく格安SIMへの乗り換えを」と勧めている。

   CBCは「圧力鍋で野菜を蒸しまくるしかない。30分炊かないといけないのが5分で炊ける。短縮できるのでガス料金は単純に減ってくる」という主婦の声を紹介している。

米国との違い

   一方、こうした自衛術には限界があると指摘するメディアもある。週プレNEWSは「日本よりひと足先に物価アップ! なのに生活はキツくない!? いいなぁ~、 アメリカの賃金アップ事情」(5月12日)を掲載。インフレ率が8%超になっている米国事情を取材し、日本との違いを報告している。

   米国では物価も上がっているが、賃金も上昇している。「お昼ご飯が20ドル(約2500円)......でも、バイトの時給が30ドル(約3800円)だから、生活はキツくない」というのだ。また、低所得者向けの支援も充実しているという。

   日本でも岸田文雄首相が「所得増」を唱えているが、多くの国民にとってまだ実感がない。

   NHKは4月5日、物価高について特集。「なにか、私たち自身でとれる対策はありませんか?」という質問に対し、今井純子解説委員が「最終的には、賃金の引き上げを続けることが欠かせないと思いますが、当面は、なんとか、知恵と工夫でやりくりが求められる生活が続くことになりそうです」と解説している。

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