日本のコロナ感染者は世界主要国で最多 今も大勢がマスク着けているのに

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   新型コロナウイルスの感染者数が一向に減らない。東京都健康安全研究センターのサイトによると、2022年12月13日現在、全国の1日の感染者数は約12万人(7日間移動平均)。世界の主要国の中で最も多い。国民のほとんどが外出時にマスクを着けているにもかかわらず、なぜ日本では感染者数が高止まりしているのだろうか。

  • 日本では今もマスク姿の人を多く見かける
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第7波で顕著、今も続く

   同センターのサイトによると、日本の次に多いのは米国、韓国、フランスで1日約6万人。続いてブラジル、伊、独が3万人前後。日本の突出ぶりが際立つ。この傾向は今年7月末からの第7波で顕著になり、現在も続いている。

   理由はいくつかある。元厚生労働省の官僚で公衆衛生に詳しい豊田真由子氏は、神戸新聞に掲載した「新型コロナ、日本の新規感染者『世界最多』をどう考えるか」という論考で、「感染のピークや流行地域は変わってくる」と指摘している(8月14日)。

「現在は日本が世界最多の新規感染者数ですが、例えば第6波のとき、各国の新規感染者数は、米国約80万人、韓国約40万人、フランス約30万人等(1日当たり直近7日間平均)でしたので、日本にはピークが遅れてやってきたということでもあります」
「現在の人口当たり新規感染者数でみると、韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド、台湾が上位を占め、欧米は少なくなっていますので、流行地域が移っていっているという見方もできます」

マスクだけでは流行を抑えられない

   マスクの有効性については、忽那賢志・大阪大学医学部教授が8月21日公開の「ヤフー個人」で、「マスクを着けている人が多い日本の新型コロナ感染者数が世界最多なのはなぜ?その2 ハイブリッド免疫とは」という論考で詳しく解説している。

   同氏によると、屋内でマスクを装着することで感染リスクが低下するのは、エビデンスレベルが高い複数の研究のメタ解析でも示されており、科学的に信頼性が高い。お互いが不織布マスクを着けることで、浴びるウイルスの量を約70%減らせるという。

   しかし、実際のところ、感染は家庭内や会食、職場の休憩室など、お互いがマスクを着けていない場で起きている。

   したがって、マスクは新型コロナの感染対策としては重要だが、マスクだけで流行を抑えることは困難だという。

「ハイブリッド免疫」が不十分

   両氏が特に重視するのは、国民のどれだけが免疫を獲得しているか、というデータだ。免疫にはワクチンによるものと、感染によるものがある。これは採取した血液で調べることが出来る。忽那氏によると、オミクロン株の流行が早かった英国では今年2月の段階で、「ワクチンと感染による両方の免疫」(ハイブリッド免疫)を持つ人の割合が、国民の約7割にも達していた。ところが日本では同時期、わずか約5%にとどまっていた。つまり、この段階では、まだ日本では国民の多くが免疫不十分で感染しやすい状態だった。

   ワクチンは重症化リスクを抑える効果が高いとされている。しかし、豊田氏は、イスラエルのデータを利用した研究で、感染に対する予防効果は、ワクチン接種よりも自然感染経験者の方が長く持続することを紹介している。

   そして、「日本はこれまで新型コロナに感染した人が少なく、感染による免疫を持つ人の割合が少ない状況の中で、感染力の強いBA.5が流行したことで、今回、感染数が大幅に増加したと推測することができます」と、第7波の感染者増を分析している。

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