大江健三郎と村上春樹の共通点 謎めいたタイトルの作品が並ぶ

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   『芽むしり仔撃ち』『洪水はわが魂に及び』『万延元年のフッォボール』――2023年3月3日に亡くなった作家の大江健三郎さんは、すぐには内容が推測できないような奇妙なタイトルの作品で知られた。むしろ、そのことによって、多くの読者の関心をひきつけた。作家の村上春樹さんも、同じように謎めいたタイトルの作品が多い。

  • 謎めいたタイトルもまた魅力
    謎めいたタイトルもまた魅力
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感覚的に推し量る

   『芽むしり仔撃ち』は1958年、大江さんが23歳で書いた初の長編小説。「芽むしり」も「仔撃ち」も日本語としては、あまりなじみがない。日本人でもこのタイトルを見て、何のことだろうと思ってしまう。

   大戦末期、山中に集団疎開した感化院の少年たちが、疾病の流行とともに、山村に閉じ込められる。この強制された監禁状況下で、社会的疎外者たちは、けなげにも愛と連帯の"自由の王国"を建設しようと、緊張と友情に満ちたヒューマンなドラマを展開する――というのがこの作品だが、タイトルからは内容を想像しにくい。

   ただし、「むしり」や「撃ち」から、何かゾクゾクするような異常な話のようだということを感覚的に推し量ることは可能だ。英語版のタイトルは「Nip the Buds, Shoot the Kids」。もう少しわかりやすい。

   若くして文壇に衝撃的なデビューをした大江さんは、こうしたちょっとひねったタイトルでも多くの読者を魅了した。

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