ツイッターと外部アプリを連携できる「TwitterAPI」の有料化を受け、他の企業やユーザーが運営する外部サービスの終了が次々と発表されている。ツイッター公式アプリのようにツイート閲覧や投稿ができ、かつ独自のデザインや機能を有する「クライアント」アプリ。これも開発や配信の停止が相次いでいる。そのひとつ「featherforTwitter」は、サービスの終了を2023年4月5日に発表した。終了は4月末を想定していたが「featherforTwitter」は、ツイッターユーザーを補助するさまざまな機能を備える。好みに応じて投稿用のボタンを任意の位置に配置したり、あらかじめ指定したキーワードやハッシュタグを含むツイートを表示しないようにできたりする。「クライアント」アプリの終了や停止は、TwitterAPIの有料化前から起きている。米ツイッター社が1月19日に更新した、開発者の利用規約が原因だ。ツイッターアプリと似たサービスや代替サービスを作るにあたり、TwitterAPIやツイッターのコンテンツ、公式マークは使用できないと定めた。ツイッターとの連携が必要なクライアントアプリの開発を禁止する条項だ。これを背景に「featherforTwitter」は1月23日に有料版の配信を停止。feather公式ツイッターの1月20日のツイートによると、同アプリの無料版はまだ使用可能で配信を続けるものの「使用不能になり次第配信停止いたします」とした。3月30日、ツイッター社はTwitterAPI有料プランの詳細を発表した。これを受けてfeather公式ツイッターは4月3日、無料版featherも「最終的に4月末頃にエラーが発生し利用できなくなると思われます」と説明。理由は「featherのようなアプリは利用規約に違反してしまう」「Basicプラン(TwitterAPIの安価なプラン)ではfeatherの機能の実現が難しい」としている。そして4月5日、無料版が使用不能になり、「おそらくこれでfeatherforTwitterは終了です」と呼びかけた。ユーザーからは「今まで大変お世話になりました」「とても使いやすく気に入っていたので、残念です」と惜しむ声が相次いでいる。しかしfeatherは完全に終了したわけではない。3月9日に、「featherforMastodon」を発表している。ツイッターのように短文を投稿できるSNS「マストドン」のクライアントアプリを開発するというのだ。4月5日のツイッター版終了を告げるツイートの中でも、「今は次のfeatherに向けて全力で走っています」と添えている。公式サイトによれば、「直感的な操作性とシンプルなデザインを引き継ぎ、Mastodon向けに一から再構築したiOS(編注:iPhoneの基本ソフト)アプリ」。開発会社「コベリン」(東京都豊島区)は3月14日、マストドン版featherはテスターを募集中で、テスト開始は3月下旬~4月上旬を予定しているとマストドンへ投稿した。「ツイッターからマストドンへ」ほかにもツイッター向けクライアントアプリの製作者が、マストドン用アプリの開発に注力する例は他にもある。米アプリ開発会社Tapbotsのツイッター向けクライアントアプリ「Tweetbot」は1月21日、開発者規約の改定を受けてサービス終了を発表した。一方で1月25日、iOS向けにマストドンのクライアントアプリ「Ivory」を公開。iOS向けアプリ配信サービス「AppStore」上では、「Tweetbotを築いてきた12年以上の経験を、Mastodonのネットワークにもたらすまったく新しいアプリ(編集部訳)」と説明している。「SpringforTwitter」というツイッター向けクライアントアプリがある。カスタマイズ性の高さが特徴で、「AppStore」では4月5日現在も配信が続いているが、使用可能かは判然としない。一方、同サービス公式アプリは22年2月13日「MonaforMastodon」という名前で、マストドンを閲覧できるツールのテスト版を発表している。
記事に戻る