木材の質を平等に保つ
大会には、選手や競技を支える多くのスタッフが運営に携わっている。ここでは2つの点に注目したい。
チーム間の対戦が終了すると、ステージにはチェーンソーで木材を削った際に出る木くずや、伐採時の木片があちこちに散らばっている。次の対戦を待つ2チームがスタンバイしている間に、ステージをきれいに掃除しなければならない。
すると、ステージ上に20人ほどのスタッフが現れた。手にしているのは、STIHL社製のブロワーや、バッテリー式スイーパーといった器具だ。これで木の粉を吸い取ったり、床に粉が残らないよう吹き飛ばしたりしていた。割れた木材を台車に載せて運び出す人もいた。
この作業を毎回2~3分程度で完了させ、スタッフは引き上げていく。競技は滞りなく進行していた。
もう1つ注目したのが、競技に使われる木材だ。当然だが試合には不公平があってはならず、木材の品質は等しくなければならない。だが、どうやって管理しているのか。
答えてくれたのは、STIHL TIMBERSPORTSシリーズ・ウッドマネジャーのダーン・ヤンセンさんだ。競技者にフェアになるよう、同質の木材を提供する役割を担う。
使用する木のサイズは競技ごとに異なるうえ、時間がたつと木が膨張や縮小することもあるので、そこをコントロールしなければならないとヤンセンさんは話す。
「競技に使う木は全て、同じ森から来ています。また大会は2チームが勝負する形式なので、その両チームに同じ木からとったブロックを提供し、平等にしています」
森から切り出した木材を倉庫で保管している間は日光を遮断し、プラスチックのカバーをかけることで湿度もコントロール。運搬する際も含めて、常に同じ状態をずっと保つようにしているとのことだ。
エキサイティングな対戦の舞台裏では、こうした多くのプロフェッショナル達が支えている。