「緑茶カテキン」でインフル撃退ってホント?

   インフルエンザの予防策として、緑茶に入っている「カテキン」が注目されている。簡単にできる「緑茶うがい」が効くと、新聞や雑誌に連日のように取り上げられ、特集が組まれている。緑茶にはフラボノイドやカフェイン、ミネラルなどが含まれていて、それらが健康にいいとされる。なかでも「緑茶カテキン」成分への研究が進められていて、いろいろとわかってきた。

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お茶どころ静岡県では「緑茶うがい」を実践


緑茶カテキンがウイルスに吸着して感染を予防する

   昔から「緑茶の効用」についてはよく耳にする。緑茶に含まれる成分がカラダにいいといわれ、フラボノイドやフッ素が口臭や虫歯を防ぎ、タンニンやカテキンが胃腸の働きを促したり食中毒を防いだりする。胃潰瘍や胃がんの原因といわれるピロリ菌などに対する増殖抑制作用や、食事といっしょに摂取すると脂肪の吸収を穏やかにする作用があり、動脈硬化や高血圧を予防する。またストレスの抵抗力をつけるなど、カラダのコンディションを整えるとされる。

   最近は緑茶に入っているカテキンに、インフルエンザを予防する作用があることが明らかになってきた。

   そもそも、緑茶カテキンには抗菌・抗ウイルス作用があり、すでに抗菌素材として衣類や石鹸をはじめとしたさまざまな商品に利用されている。そんなカテキンを多く含んでいる緑茶だが、全国屈指のお茶どころ、静岡県島田市の小学校では蛇口をひねると緑茶が出てくる、200リットルの緑茶をつくる給茶器を導入。緑茶を使って「うがい」をすることでインフルエンザ予防に役立てている。

「のどにウイルスをくっつけない」緑茶カテキンの効用


山田教授は「インフルエンザ予防には、こまめにお茶を飲むこと」とアドバイスする

   1日3回程度の「緑茶うがい」を提唱する静岡県立大学薬学部の山田浩教授は、「緑茶に含まれるカテキンはA型とB型のどちらのインフルエンザにも対応できる」と、緑茶による予防効果を言及する。

   山田教授が行った「ヒト試験」では、高齢者76人に緑茶カテキンを含む飲料で1日3回うがいをしてもらったところ、インフルエンザの発症率が有意な低下を示した。ワクチンでつくられる抗体は、その年に流行する型にあっていないと十分に効果が発揮できないが、カテキンであれば型によらず、A型、B型両方を予防できる可能性が高いと考えられている。

   「緑茶に含まれるカテキンにはインフルエンザ・ウイルスのカラダへの侵入を防ぐ効果が見込めます。具体的には、ウイルスに吸着し、のどの粘膜にくっつくことを防ぐ作用があるため、ふだんからのうがいが大事なのです」と、山田教授は話し、「新型インフルエンザにも効果が期待できる」としている。

   仕事に忙しいビジネスパーソンにとって、そんな「緑茶うがい」ですら難しいかもしれないが、山田教授は「うがいは外出後に行うだけでも予防になるし、緑茶のペットボトルを持ち歩いてこまめに飲むことでも防げます」とアドバイスする。

   「急須で煎れる緑茶に含まれるカテキンの濃度はペットボトルよりも濃いが、緑茶カテキンの効果はペットボトル程度の濃度の飲用で十分に期待できる」としている。

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