羽田が「本格国際化」、サンフランシスコ便32年ぶりに復活

   2010年10月31日、新国際線ターミナルがオープンしたばかりの羽田空港に、新たに17都市を結ぶ定期国際便が開設される。同日未明には、日本航空(JAL)のサンフランシスコ便や全日空(ANA)のロサンゼルス便が相次いで離陸。ロビーでは記念式典も行われ、羽田の「本格国際化」を祝った。

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羽田空港にサンフランシスコ便が復活するのは32年ぶりだ

   これまでも、羽田からはソウルや上海などとの近距離路線が「プログラムチャーター便」として運航されていたが、冬ダイヤが始まる10月31日から、シンガポールなどの東南アジア便や、北米・欧州便が定期便として就航する。

   その中のひとつが、JALのサンフランシスコ便。1978年の成田空港移転以来、羽田空港を撤退する形となっていたが、今後は成田を撤退する形で32年ぶりに羽田空港に復活する。

   サンフランシスコ便は、羽田空港で初めて日本の航空会社が開設した国際線路線で、1954年2月2日に開設された。当時はDC-6B型機で2度の給油をはさんで、31時間かけて両都市を結んでいた。全席ファーストクラスで、片道の運賃が650ドル(23万4000円)。初任給が1万円に満たない時代だった。

   大西賢社長は、記念式典で、

「羽田は都心に近いので、時間を有効に使える。新しい海外旅行のスタイルを提案できるのでは」

   などとあいさつ。「本格国際化後」の初便となるJL002便(ボーイング777-200型機)に乗員・乗客229人が乗り込み、0時4分にサンフランシスコに向けて飛び立った。


歴代の制服に身をつつんだ客室乗務員(CA)が乗客を見送った

   10月30日夕方には、1978年の成田開港以前に羽田から海外旅行をした人を対象にした抽選会が行われ、ニューヨーク、ロンドン行きの往復航空券が4人に贈られた。応募には、当時の羽田の出国印のコピーを提出するなどの高いハードルが設けられていたが1118人が応募。当選者は、

「『パスポートあるかな?』と心配しながら探したら出てきたので、良かった」
「初めての海外出張が羽田からで、羽田は非常に思い出深い空港。当時は、兵士の出征のように、(会社の)みんなが送り出したものです」

と、感慨深げだった。

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