【北京発】スーパーの売り場で子どもが放尿 「股われズボン」下はすっぽんぽん

   中国に来たばかりの人が仰天するもののひとつに、乳幼児の股われズボンがある。最近、北京では見かけることが減ってきてはいるものの、まだまだ健在。決して珍しくはない。つい先日も見かけた。

   この股われズボン、下着なしで履くもので、股の部分が切れているので、夏でも冬でもズボンを下げなくても排泄できるというものだ。さすがに若い親世代には紙オムツも普及しているのか、ここ1、2年、股われズボンの下に紙オムツをつけている乳幼児を見かけることもあるのだが、基本は「股われズボンの下はすっぽんぽん」だ。丸見え状態で歩いている乳幼児に出会うこともままある。

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紙オムツはむれるから虐待?


股われズボンを履いた子供。ズボンの下には何もつけないのが原則

   この股われズボン、日本の子育てコミュニティでも「トイレトレーニングが早く終わる優れもの」と注目されたりもするようだが、実際はそんなに生易しいものではない。北京で子育てをした友人によると、中国人の母たちは「紙オムツはむれてかわいそう。虐待だ。股われズボンだと6か月でおしめがはずれる」と主張していたという。

   しかし、生後6か月では、まだおしっこ、ウンチは報告できない。中国人と結婚した日本人ママ(股われズボン使用)がその友人に語った方法は、「30分ごとにトイレに連れて行く」というものだそうだ。これって「トイレトレーニングが終わった」とは言わないのでは?

   たとえ30分ごとに連れていったとしても、そのとき出なくて、不意に「シャーッ」ということを覚悟しなければいけないし、そういうアクシデントは多々あるらしい(が、中国人の親たちはあまり気にしないようだ)。スーパーなどでこういう「股われズボン」の子供を抱いた親に遭遇すると、思わぬとばっちりを警戒して、ついつい距離をとってしまう。

   そもそも排泄物に関する衛生観念は、日本と大きくずれているとしか言いようがない。友人が目撃した事例では、スーパーマーケットの店の売り場で、親がその場で子供をしゃがませてシャーっとやらせて、床に流れたものを「これ、拭いといて」と店員さんに指示し、店員さんも慌てずモップで拭いていたとか。日本だとお客も店もプチパニックになりそうな光景だ。

「ゴミ箱で大小便をさせないでください」の張り紙


人気プレイエリアにあったゴミ箱の上の表示
「遊技場内での大小便禁止。違反者は罰金50元」とある(2009年ごろ撮影)

   北京市内のとあるプレイエリアは、小さい子供が思いっきり遊べることから、中国人の子供だけでなく欧米人の子供でもにぎわっている。3年ほど前に行く機会があったのだが、「ゴミ箱で大小便をさせないでください」という張り紙がされていた(現在もこの張り紙があるかどうかは未確認)。もちろん場内にトイレはある。しかし、どこでもゴミ箱が乳幼児のトイレになる率は高い。通路でさせるよりよい、という考えだろうか。

   また、このプレイエリア、大きなボールプールも人気なのだが、股われズボンの子たちがこのボールプールの中で尿意や便意をもよおすこともあるだろうと思うと、ボールプールの底のことは、あまり考えたくなくなる……。

   別の目撃例だが、古生物博物館前で3歳ぐらいの男の子が恐竜の銅像そばでポーズをとり、父親とおぼしき人物が写真を撮っていた。と思いきや、子供はいきなりそこでしゃがんでシャーッとやりはじめた。あまりに何の前触れもなかったので絶句した。下は舗装されており、尿はそのまま父親の足元に流れていったが、父親はよけようともしない。そのすぐ横には植え込みがあるので、せめてそこに移動してやれば?という疑問がぐるぐる頭をかけめぐった。

   日本では、トイレ=御不浄、つまり「きれいではない場所」なのであるが、どうも中国では、あまり気にならない人が少なくないらしい。中国事情に詳しい知人曰く「体の中から排泄物を外に出すのは悪いことではない。どこでもかまわず、カーッ、ペッと痰を吐くのも、同じ理由」と解説してくれた。郷に入れば郷に従えというが、どうもこのあたりの感覚だけは、何年たっても慣れることができそうにない。今も道で股われズボンの子供に出会うと、「いつしゃがむか?」とついつい警戒してしまのだ。

小林真理子

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