「アマビエ」上生菓子で新型コロナ退散! 岐阜の和菓子店考案、カラフルでかわいい

   新型コロナウイルスが猛威を振るう今、江戸時代後期に出現したという妖怪「アマビエ」に注目が集まっている。海中から現れ、豊作や疫病などを予言し「疫病が流行したら、私の姿を描いた絵を人々に見せよ」と告げて海の中へ帰っていったという伝承があるからだ。

   アマビエをモチーフにした色鮮やかな上生菓子まで登場し、ツイッターで「かわいい」「ご利益ありそう」と話題だ。

上生菓子「アマビエ」(画像は金蝶園総本家の提供)
青と紫は海をイメージしたという(画像は金蝶園総本家の提供)
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爽やかな見た目は「海」をイメージ

   アマビエの上生菓子は、岐阜県にある和菓子屋「金蝶園総本家」が県内4店舗で、2020年4月2日から販売している。

   「金蝶園総本家」を展開する金蝶製菓合資会社の代表取締役・北野英樹さんに取材すると、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、テレビ番組で「アマビエ」の存在を知ったという。世の中の不安が高まる状況で、和菓子屋としてできることはないか、と考え疫病退散のご利益があると言われてきたアマビエをモチーフに作った。

   北野さんによると、上生菓子は季節の花や行事などをイメージし、菓子として表現する。その中で、生菓子の鮮度を保ちながら一つずつ手作りするには技術が必要だ。あまりに手をかけすぎると鮮度が落ちるため、職人技で仕上げねばならない。アマビエも同様で、さらに上品で可愛らしい見た目になるようこだわった。中身はこしあんで、青色、紫と色鮮やかで爽やかな見た目は「海」をイメージしたとのこと。

   価格は1つ390円(税抜)。同店で販売されている他の上生菓子と比べて1・5倍の値段だ。

「その分、他の上生菓子よりもサイズは少し大きめで、手間をかけて作っています」

SNSに写真投稿、閉店時には売り切れ

   発売以降、同商品を見た客からは「面白い!」といった反響が寄せられていると北野さん。アマビエを知らない客も、見た目のインパクトに引かれ「何、これ」と興味を持つようだ。POPの説明を読み、店員からアマビエについての簡単な説明を聞くと、購入していく人が多いとのこと。

   購入者がSNSに写真を投稿し、それを見て買いに来る客も出てきているそうで、「他の上生菓子と比べても、(アマビエは)よく売れていますね」と明かした。1日に平均30個程度作り、それらが閉店時には売り切れるほど好評だ。

   北野さんは、新型コロナウイルスで客足が減少傾向にある中、アマビエに「あやかりたい」と話し、終息するまでは当面販売を続けていきたい、とした。

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