2024年 4月 18日 (木)

ノーベル経済学者が警告!「消費増税タイミング悪すぎる。間もなく欧州ドミノ倒し」

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「野田首相も現在5%の消費税を2年後に8%、3年半後に10%まで上げようとしているが、いかにもタイミングが悪すぎる。いずれ消費税を上げなければいけないことにはなるだろうが、それはいまではない。この時期に消費税を上げたら、もっと消費が落ち込み、経済が悪化することは目に見えている。
   日本の政策当局はいつも、これといった大胆な政策を打たないできた。だからこそ、他国でショックが起きたときにはかなりきつく影響が波及してしまう」

   これは「週刊現代」に載ったノーベル経済学受賞者ポール・クルーグマンの言葉である。インタビューの冒頭でクルーグマンは、ギリシャの財政再建計画は現実的に実行不可能だといっている。

「現実が私の言っていたようになってきている。もはやギリシャにはユーロを離脱し、そこから改めてやり直す以外に道は残っていない」

   ギリシャが6月中(2012年)にユーロを離脱する確率は50%で、どちらにしても90%の確率でギリシャはユーロを離脱すると予測する。しかし、その影響は「計り知れない。対応を誤れば、ユーロ圏で大パニックが起こることになる」という。

「ギリシャがユーロを離脱すると、まずスペインとイタリアで銀行から大量の預金流失が起こることになる。いわゆる取り付け騒ぎというやつだ。(中略)おそらく預金の引き出しと海外への移転の額を合わせて、1000億ユーロ(10兆円)単位になるだろう。そうなれば巨大銀行崩壊の危険性が高まってくる。もちろんスペインやイタリアの巨大銀行が倒れれば、それは『第二のリーマンショック』級のものになる」

   それを避けるためにECB(欧州中央銀行)が乗り出し、スペインやイタリアにカネを貸し付けることになるだろうが、もしECBが動かなかったとき、またそれだけ大量のカネを供給できなかった場合は「預金封鎖」になるという。そうした事態はポルトガルでも起こり、次々にユーロを離脱してドミノ倒しのようにユーロ離れが起こる。ユーロというプロジェクトが失敗すれば、どんなひどいことが起きても不思議ではない。

「戦争が起こる可能性? ヨーロッパではすでに過激派政党がどんどん力を持ってきている。アドルフ・ヒットラーが戻ってくることはないだろうが、過激派がさらに増加することは間違いない。ハンガリーではそういう状態にある」

「日本のインフレ目標3、4%必要。もう日銀に期待するのはやめた」

   しかし、アメリカは日本経済と似たような状態だし、ユーロ諸国も同じ。中国も労働者の賃金が上がっていることから成長の速度はさらに落ちる。

   日本経済の政策当局は、この15年間アグレッシブな政策をとることを拒否してきたし、それは今も変わっていない。日本銀行は今年に入ってやっとインフレ目標を1%としたが、本来なら3%、4%にしなければならないはずだから、「もう日銀に期待するのはやめた」とまでクルーグマンはいい切っている。クルーグマンはこの危機を乗り越えるためには、ユーロ諸国、アメリカ、日本などが一斉に大恐慌並みの大胆で積極的な財政・金融政策をとればいいと説く。

   ただ、世界中の先進国が頭を抱えている国債、借金問題などそれほど恐くないのだといっている。

「経済が成長すればそれは返すことができる。イギリスがかつて成長を謳歌していた時代にも、同国は大量の借金を抱えていたという事実をどうして誰も語ろうとしないのか。そうした意味でも、成長のための政策がいま求められているのだ」

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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