2024年 4月 17日 (水)

TBS不二家報道で重大ミス 朝ズバッ!「捏造疑惑」晴れず

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   TBSの情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」の不二家報道をめぐって、証言の「流用」があったことが明らかになった。しかし、同番組を審理していた放送倫理・番組向上機構(BPO)は、これについて「重大な放送倫理上の問題があった」としたものの、「捏造」は否定。一方で、「合理性を欠く判断」「根本的におかしい」といったBPOへの批判も噴出している。

「倫理上問題がある」と判断

「朝ズバッ!」問題について会見するBPO放送倫理検証委員長の川端和治弁護士
「朝ズバッ!」問題について会見するBPO放送倫理検証委員長の川端和治弁護士

   放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(委員長・川端和治弁護士)は2007年8月6日、07年1月22日に「朝ズバッ!」で放送された不二家報道について、不適切な放送だったとする審理結果を発表した。

   不二家は、同番組で報じられた「賞味期限切れのチョコレートの再使用」について、明らかに事実に反するとして、TBSに訂正放送と謝罪を求めたほか、不二家が社外に設置した「信頼回復対策会議」(議長・桐蔭横浜大学法科大学院・郷原信郎教授)も、放送内容は事実無根で、不二家のクッキー「カントリーマアム」についての証言を「賞味期限切れチョコレートの再使用」の報道として「捏造」した疑いがあるとして、不二家に法的処置をとることも提言していた。
   同委員会は、この放送について、

「内部告発者通報者に対する取材調査の不十分さ、チョコレート製造過程に関する認識不足、不注意なVTR編集、番組制作者と出演者とのあいだの情報共有システムの不備、断定・断罪的コメント等に起因する不適切な放送をしたことは、放送倫理上見過ごすことができない」

としたほか「番組制作体制そのものが内包する深刻な欠陥」との見解を発表した。また、放送された「賞味期限切れチョコレートの再使用」の証言とされるVTRについては、「カントリーマアム」について平塚工場元従業員とされる証言者が述べたコメントを「チョコレート」について述べたものとして使用したと認定し、「倫理上問題がある」と判断した。ただ、この証言者が「チョコレートについても同じ趣旨のことを言っている箇所がある」(同委員)ことや、TBSが取材した別の証言者も「チョコレートの再使用」について同様の趣旨を述べていたこと(ただし、この証言者の連絡先は不明で、取材メモもTBS側が紛失したと主張)から、「誤解や過失」だったとして「内部告発自体に捏造はない」と判断した。同委員の吉岡忍氏によれば「クッキー(「カントリーマアム」)とチョコレートの違いが分かっていなかったんじゃないか」ということらしい。

「取り違えていた」というのは信じがたい

   しかし、不二家の「信頼回復会議」の議長を務めた郷原信郎教授はこれらの判断を猛批判している。
   郷原教授はBPOの審理を受け記者会見し、「まったく評価できない」「十分な調査をして適切な結論を出したといいがたい」とし、BPOを「身内の傷を舐めあう機関」であるとした。

   同教授は、TBSが放送前に不二家広報に、「カントリーマアム」について、「賞味期限が切れていたので捨てようとしたら上司に怒られ、それを再度新しいパッケージに入れて製品としていた」という証言の事実確認を行っていたことを挙げ、

「平塚工場でカントリーマアムを作ってない時点で、証言が無価値で信用性が失われることは明らかで、それを『(チョコとカントリーマアムを)取り違えていた』『判断の誤り』と(BPOが)扱うのは信じがたい。むしろ、我々が『捏造』と指摘していた事実があったということだ」

と指摘した。同教授によれば、不二家広報に取材した時点で「カントリーマアム」と「チョコレート」の違いは明らかになったはずで、さらに別の証言者について「メモがない」「1回しか連絡が取れなかった」点については、「(裏づけというよりは)むしろ、疑わしい」もので、「信用性がないのに事実として紹介した『捏造』」としている。
   郷原教授はこれに加えて、

「この判断をもとにTBSに対し訴訟を提起すれば、民事上の損害賠償の立証ができる。訴訟をすることでしか不二家の信頼回復はありえない」

として、不二家がTBSを提訴するように促すとしている。
   一方のTBSは、「BPOの見解を真摯に受け止め、今後の番組作りに活かして行きたい」とコメントしている。

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