建設・不動産の連鎖倒産 「貸し渋り」めぐり金融庁と銀行界が熱いバトル

2008/7/29 19:30

   建設・不動産業者の連鎖倒産の原因とされる銀行の「貸し渋り」をめぐって、金融庁と銀行界が熱いバトルを繰り広げている。金融庁の「指導」を理由に銀行が融資を断わるケースが少なくなく、それが苦情となって金融庁の相談窓口に持ち込まれている。金融庁は2008年8月からはじまる新事業年度の金融検査で、「建設・不動産業者向け融資の実態把握と検証」を実施、これをもとに「犯人さがし」に乗り出すようだ。

「大臣はかなりお怒りのようすです」

金融庁の「指導」を理由に銀行が融資を断わるケースも少なくない
金融庁の「指導」を理由に銀行が融資を断わるケースも少なくない

   「大臣はかなりお怒りのようすです」――地方銀行の頭取らを前に、金融庁の幹部がこう切り出した。渡辺喜美・金融担当相が不機嫌なのは、建設や不動産業者、なかでも中小企業からの融資を断わるために、銀行が金融庁の「指導」を理由にしていることが原因だ。 渡辺金融相は6月20日の記者会見で、「『検査があるから貸せない』『金融庁から特定業種については融資を差し控えるよう指導がある』などととんでもないエクスキューズ、言い訳をするようなところがあるようだ。そのような言い訳は許さない」と、痛烈に銀行を批判した。

   これに対して銀行界も、「貸し渋りなどあり得ない。むしろ貸し出し競争が激しいくらい」(全国地方銀行協会の小川是会長・横浜銀行頭取)、「非常に心外だ」(全国銀行協会・杉山清次会長・みずほ銀行頭取)とかみついた。

   6月24日に、マンションなどを手がける建設中堅のスルガコーポレーションが倒産。帝国データバンクの調べでは、その後の1か月間に倒産した負債総額30億円以上の建設・不動産業者は19社で、負債総額は約3934億円に上る。まさに、ドミノ倒し状態だ。

   サブプライム問題や原材料価格の上昇、改正建築基準法の影響などの要因を背景に、建設・不動産業者は急激に崖っぷちに立たされていて、金融庁や中小企業庁には、資金繰りに苦しむ業者からは苦情や懇願の声が殺到している。

   銀行による「貸し渋り」や「貸しはがし」と思われる案件が「ない」とも、断言はできないようだ。

(続く)

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