イヤホンで曲を聴く 愛知で「無音」盆踊り開催

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   イヤホンで曲を聴く「無音」の盆踊り――!! 愛知県東海市の住民らが、こんな常識破りの試みをして反響を呼んでいる。

騒音対策もあるが、地域振興を主眼に

「こええよ・・・」
「儀式に見えるぞ」
「どこのカルト宗教か」

   ネット上では、無音盆踊りを想像して、こんな極端な声も漏れる。これらは、2ちゃんねるへの書き込みだ。

   この盆踊りを行ったのは、愛知県東海市の大田町住民ら。町内にある東海市青少年センター駐車場で2009年8月1~2日にあった地元の夏祭り「ザ・おおた・ジャンプフェスティバル」で、民踊団体などの50人がイヤホンを着けて実際に「炭坑節」など4曲を踊った。

   仕組みは、FM電波で曲を飛ばし、踊り手が携帯ラジオで受信するというもの。両日とも1回、15~20分間、ラジオを浴衣の帯に挟んだ踊り手が、静かな会場の中で耳のイヤホンを頼りにステップを踏んだ。

   地元では、市の玄関口として名鉄太田川駅前の再開発が進んでおり、2015年度にも駅前に広場ができる。住民らは、ここに移る夏祭りで無音盆踊りを本格的に始めることにしており、今回はそのリハーサルとして企画された。提案者である大会会長の化粧品店経営、森岡厚さん(47)は、動機をこう語る。

「市民の一番の楽しみは、花火大会です。そこで、その日に駅前で盆踊りを披露しようということになりました。しかし、花火を見て帰ってきて、片付けをしていたら失礼です。病院にも近い駅前で、深夜11時や12時でも披露できるようにと考えたのが、無音の盆踊りということです」

   つまり、騒音対策もあるが、地域振興を主眼に考えたというわけだ。地元は、住宅密集地ではないので盆踊りの苦情はほとんどなく、病院からも騒音対策の要望は来ていないという。

「『何か変』が訴えるものがある」

   とはいえ、大会会長の森岡さんは、無音盆踊りが、苦情を気にせずに踊りを楽しめるモデルケースになれば、と考えている。

   踊り手に感想を聞いたところ、「曲が聞こえているので、まったく違和感がない」とのことだった。しかし、見物していた人からは、「寂しいね」「何か変」という声が上がった。これに対し、森岡さんは、こう言う。

「例のないことですので、いきなりうまくいくとは思いませんでした。ただ、踊り手が何百人にもなったとき、この『変』が訴えるものがあるとも感じました。例えば、炭坑節で手を叩く音が不思議に聞こえたり、草履の音が静かな盆踊りの中で違った音色になったりということです」

   また、見物の人も楽しめるには、踊り手と途中で入れ替えることも案だという。さらに、FM電波を飛ばす機械を複合的に使って民踊と同時にポップスも流すなど、若者も楽しめるようなこともできないか考えている。

   夏祭りのイベント委員長の米穀販売業、月東(がっとう)由典さん(34)も、「最初は不安があった」というものの、手応えを感じているという。

「草履ではなく、カランカランと音がする下駄でもいいんじゃないかと思っています。完全に無音ではなく、音を微かに流すようにすれば、曲も分かるでしょう。また、盆踊りの最中でも、告知などをアナウンスできます。実際、迷子が出たときに利用できました」

   大会会長の森岡さんは、期待を込めてこう語る。

「祭りでは、自分でラジオを持ってくる人もいました。また、わざわざ遠くから参加した人もあり、子どもたちも面白がっていました。ネット上のご意見は、ありがたいアドバイスだと思っています。これからは、クイズとか仕掛けるなどして、いろんなことの可能性を試したいですね」
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