「徳之島への移設案」本気だった  鳩山前首相が「本音」吐露

2010/6/18 19:10

   辞任して間もない鳩山由紀夫・前首相が「本音」を語った。米軍普天間基地移設問題を巡る誤算、マスコミへの恨み節……などなどだ。

   2010年6月18日の朝日新聞朝刊に、鳩山前首相のインタビュー記事が載った。同紙の編集委員が聞き手で、1ページの約8割を占めるかなり長い記事だ。

「一度検討していたという話は入っていなかった」

   沖縄の普天間基地移設問題について、鳩山首相は従来から「最低でも県外」と主張していた。しかし、結局は5月28日、自民党時代からの現行案通り、同じ沖縄県の辺野古沖への移設が日米共同声明で明記された。この間、現行案以外が可能なのかどうかを巡り、鳩山内閣は迷走し、内閣支持率低落の大きな要因となった。

   インタビューを読むと、鹿児島県の徳之島への移設案を本気で考えていたようだ。当時の新聞報道では、徳之島案は米軍側も地元も強く反対し、実現は不可能視されていた。そんな中、鳩山氏が国会で口にした「腹案がある」は、徳之島案なのか、それとも「ウルトラC」案がほかにあるのか、と週刊誌を巻き込む騒動にもなった。

   鳩山氏はインタビューで、現行案について、米側との環境特別協定の締結などの成果を踏まえ、09年末ごろの段階で「現行案で乗り切れるかもしれないと考えた時期があったことは事実だ」と明かした。しかし、自身が「最低でも県外」と主張していたことから納得がいかなかった。そこへ鹿児島県の徳之島への移設案が浮上してきた。「島の活性化に役立つから受け入れてもいいという関係者の声も間接的に届いていた」ことから結論を先送りしたのだという。

   徳之島案について、「過去に日米間で検討されて消えた話ですが」との質問には、鳩山氏は「過去に一度検討していたという話は入っていなかった」と明かした。水面下で交渉を進めるため「この案の検討に官僚は使わなかった」。そのため、基本情報すら耳に届いていなかったことになる。

   「確かにやり方は稚拙だったかもしれない」と認めた上で、「もっと正面から情報を集めて、なぜ徳之島なのか冷静な議論をしていたら、とも思う」と悔しさをにじませた。

(続く)

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