2024年 4月 28日 (日)

安倍氏が目指す憲法改正 13年参院選がヤマ?

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   週明けにも開かれる臨時国会で第96代首相に選出される見通しの自民党の安倍晋三総裁は2012年12月17日の記者会見で、改めて持論の憲法改正への意欲を示した。今回の衆院選で当選した人の7割以上が憲法9条の改正に前向きだ。だが、参院での自民党は過半数も獲得できておらず「ねじれ国会」が続く見通し。改憲が現実化するかどうかは、13年夏の参院選にかかっている。

衆院選で当選した人の7割以上が「9条改正」賛成

   憲法96条では、憲法改正の発議には衆参両院の総議員の3分の2の賛成必要だと定めている。安倍氏は、まずはこの条項の「3分の2」を「過半数」に緩和したい考えだ。

   安倍氏は、日本維新の会や、みんなの党について、

「この96条ということについては、一致できるのではないか」

と協力を呼びかけ、日本維新の会の松井一郎幹事長も、

「安倍総裁が、そういう形でされるなら、そこの部分は賛成、まさに、是々非々の『是』の部分」

と応じた。

   衆院全議席の3分の2は320議席なので、衆院だけでみれば、容易に条件をクリアしている、ということになる。

   安倍氏は、まずは96条改正を目指すが、その先には当然9条改正を視野に入れている。9条改正については、衆院では実は大半の当選者が前向きだ。共同通信社が立候補者アンケートの結果を再集計したところ、回答を寄せていた当選者454人のうち、75.6%にあたる343人が憲法9条の改正に賛成している。毎日新聞も同様の調査を行っており、やはり342人が賛成している。

参院242議席中で自民は82議席しかない

   だが、安倍氏が

「今の段階では(憲法改正の発議には)3分の2の勢力が必要。衆議院ではありますが、参議院ではほど遠い」

と認めているように、現時点では衆参両院で3分の2の賛成を得るのは事実上不可能だ。参院の定数242議席のうち、自民党が確保しているのは82議席に過ぎないからだ。このことを踏まえ、安倍氏は

「次の参院選で、果たしてそれを達成できるか分からない。さらに、もう3年必要かも知れない。それに向けて、努力を進めていきたい」

と、13年と16年の参院選で「ねじれ」状態を解消、改正手続き進めるために重要だとの見方を示している。この間、内閣支持率との「にらめっこ」を強いられることになる。

   なお、9条改正をめぐっては、国外からの懸念の声があがっている。中国や韓国など東アジアのメディアが「右傾化」を警戒しているほか、米ニューヨーク・タイムズ紙が

「多くのアナリストは、(今回の自民党の大勝は)国防軍を創設するために改憲を試みるといった不人気な政策を追求すると、世論の振り子は簡単に『反自民』にふれるだろうことを意味するに過ぎない、と警告している」

と指摘している。

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