2024年 4月 26日 (金)

本当は恐い?ピーターラビットに仰天 父親はパイに、甥たちも「皮をはいで頭を…」

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   ピーターラビットといえば、誕生から100年以上にわたり親しまれている絵本シリーズだ。その「日本版公式ページ」が2013年5月1日誕生したのだが、その「キャラクター紹介」コーナーが今人々を驚かせている。

「ピーターのおとうさん(マグレガーさんにパイにされた)」

   ほかのキャラクターは愛らしい姿が描かれているのに、主人公・ピーターラビットの父親だけがおいしそうなパイに。「パイにされた」という突き放した説明もあいまり、ネットでは「泣ける」「悲しすぎる」などと評判だ。

「父親食べられた」は作者こだわりの設定だった

公式ページで「パイ」の姿で紹介されたピーターラビットの父親
公式ページで「パイ」の姿で紹介されたピーターラビットの父親

   「ピーターラビット」シリーズは英国の作家ビアトリクス・ポターによる動物たちを主人公とした絵本シリーズで、1902年に最初の作品が発表された。ポター自身による愛らしいイラストはCMなどでもよく使われており、読んだことはなくともそのキャラクターは知っている、という人も多いだろう。

   「父親がパイにされて食べられた」という設定は、第1作『ピーターラビットのおはなし』冒頭、母親がピーターたち子うさぎに注意を与える場面で登場する。

「お百姓さんのマグレガーさんとこの畑にだけは行っちゃいけませんよ。お前たちのお父さんは、あそこで事故に遭って、マグレガーさんの奥さんに肉のパイにされてしまったんです」(以下、引用は適宜漢字に改める)

   物語ではその後、ピーターが注意を無視して畑に向かい、マグレガーさんに追われ危うく父子2代でパイにされかかってしまう。この場面以外では父親に対する言及はほとんどない。ただし続刊では一家の大黒柱を失ったピーターの母親が、「うさぎの毛の手袋や袖口飾り」を編むなどして生計を立てているという、やけに切実な設定も明かされている。

   なお冒頭の場面、現行の版ではピーターたちしか描かれていないが、初期の版ではパイにされた「ピーターのおとうさん」を食べようとする人間たちの姿が描かれている。のっけからショッキングな描写で、当時も編集者から「子どもが怖がる」との意見があったという。しかし博物学者でもあった作者ポターは、自然界の現実を重視する姿勢からあくまでこの場面を入れることにこだわった(横田順子氏論文より)。作者入魂の設定だったわけだ。

「足元にはうさぎの骨が転がっていました」

初期の版にあった、ピーターの父親が食卓に出される場面
初期の版にあった、ピーターの父親が食卓に出される場面

   ピーターの父親以外でも、ピーターラビットシリーズでは、ちょっと「怖い」エピソードがたくさんある。たとえばピーターの父親を食べてしまったマグレガー夫妻は、その後の作品でも、ピーターに「新しいパイ皿を買った」と脅すような手紙を書いたり、ピーターの甥や姪たちをつかまえ、

「こいつらの皮を剥いで、頭をちょん切ってやる!」

と2人で高笑いしたりと、うさぎ一家にとってはかなり恐ろしい存在として描かれている。また、やはりピーターの甥・姪が別の悪漢に食用目的で誘拐されたときには、

「(悪漢の部屋には)気味の悪いもの――うさぎの骨や鶏の足や、他にもまだぞっとするようなものが、たくさん転がっていました」

と、かなりおどろおどろしい描写も。ほかにも「猫巻き団子」にされそうになる子猫やベーコンになりかかる子豚など、「食べられ」エピソードは枚挙に暇がない。

   この話題自体はかつて「トリビアの泉」でも取り上げられたこともあり、以前から知っていた人も少なくなかったが、ネット上では改めて「残酷や…」「…ブラックだな」と驚きの声が相次いだ。

   ちなみにうさぎ肉のパイは英国の伝統料理で、首を落とし、骨や内蔵を取り出したうさぎをリンゴ酒で煮込み、パイに仕立てる一品だ。鶏肉に近い淡白な味が特徴だとか。

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