「追い出し部屋」はなぜなくならないのか 会社が潰れるまで解雇できないのが原因?

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   会社を辞めてもらうために仕事を取りあげ、「社内失業者」にして、劣悪な環境の職場に配置、研修の名のもとに転職先を探させたりする「追い出し部屋」がなくならない。それどころか、広がっている気配すらある。

   いったい、なぜなくならないのか――。

正社員解雇にはきわめて厳しい「制限」

   パナソニックや日立製作所、ソニー、NECに朝日生命、ゲーム大手のコナミ、最近ではミクシィでもその存在がうわさになった「追い出し部屋」。「事業・人材強化センター」や「キャリア開発課」、「人材調整室」などと、もっともらしい部署名がついてはいるが、実態は過酷だ。自宅待機になったり、正社員なのに受付で「ゲスト」と書かれたプレートをもらわないと社内に入れない、デスクやパソコンは取り上げられ、内線しかかからない電話をあてがわれる、といった具合だ。そこで、しかたなく社内外の仕事探しをする。

   「配属されたら二度と戻ってこられない」と、社内ではみられ、「追い出し部屋」といわれる。発覚した当初は、リストラに必死だった製造業が中心だったが、最近ではサービス業やIT業界に波及。業績が回復するなかでも、経営不振企業では「追い出される」社員は、少なくないようだ。

   もっとも、「追い出し部屋」について、パナソニックやソニー、NECなどはどこも、「受けとめ方の違いであって、会社として退職を強要するものではない」と主張。聞き取り調査を行った厚生労働省も違法行為は確認できなかったと、2013年1月29日に発表した。

   その後、政府の産業競争力会議で議論する成長戦略の目玉に、「正社員を解雇しやすくして、成長する産業へと労働力を移動させる」ことがテーマに浮上。「解雇規制の弾力化」の流れが広がってきた。

   そもそも、日本では正社員を業績悪化などの理由によって整理解雇するにはきわめて厳しい「制限」がある。労働基準法には「解雇自由の原則」があるが、一方で判例の積み上げによって「解雇権の濫用法理」が構築されている。

   会社が社員の整理解雇に踏み切る場合、人員整理の必要性、解雇回避努力義務の履行、対象者人選の合理性、手続きの妥当性(「整理解雇の4要件」)を満たさなければ解雇できない。

   さらに「リストラ解雇」が頻発したのを機に、労働契約法第16条(2008年成立)で「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」と定められ、より解雇規制が厳しくなった。

   これらの手順を踏まなければ解雇できないわけで、「事実上、倒産寸前まで解雇はできない」との声が経済界には強い。こうした背景が「追い出し部屋」のような部署を設けて、自主的な退職を促そうという動きにつながっている。

終身雇用が崩壊しているのに、労働法制は変わらず

   業績が悪化したとき、在庫を減らしたり工場などを閉鎖したりすればコストは削減できるが、解雇は至難の業。社員は辞めない限り給与を支払わなければならないわけで、これは会社にとって大きなリスクになる。

   厚生労働省は現在、景気が悪くても雇用を維持してもらうため、会社に助成金を出しているが、社員が「辞める」というまで雇用し続けなければならないとなれば、新規採用も後ろ向きになるかもしれない。

   会社にしてみれば、「整理解雇の4要件」をクリアするまで時間がかかれば、会社自体が潰れてしまう恐れもある。割増退職金の負担もあるだろう。それもあって無理にでも自主的に退職してもらいたい、というわけだ。

   経営コンサルタントの大関暁夫氏は、「現実には『終身雇用』が崩壊しているのに、労働法制だけがその時代を引き摺っていることに問題があります」と指摘する。

   「雇用の流動化が当たり前になるなか、本来は経営者にとっても必要なときに働いてほしい人材が辞めてしまうリスクがあるのに、労働者は立場が弱いということだけでそこは目をつむったり、終身雇用に守られる人がいる一方で新卒採用が抑制されるなど、本来あるべき人材の流動化が損なわれていることも問題です」と話している。

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