サンリオの看板キャラクター「ハローキティ」の地位が危ぶまれている。2014年の「サンリオキャラクター大賞」中間発表で、得票数5位と伸び悩んでいるのだ。
過去の大賞受賞キャラたちに先行される一方、「サケの切り身」をモチーフにした新キャラクターらの追い上げもあり、キティファンは戦々恐々としている。
キティ、過去には12連勝
「サンリオキャラクター大賞」は1986年に始まり、2014年で29回目になる。当初はサンリオの月刊紙「月刊いちご新聞」上でのみ行われていたが、10年からインターネット投票も可能になった。インターネット投票は1日1回でき、サンリオショップ店頭やサンリオピューロランドからも投票できる。
現在行われているのは「1stステージ(ファーストステージ)」だ。全100キャラクターをクジで「A」から「E」までの5グループに分け、各グループ1種類ずつへの投票を受け付ける。各グループの上位4キャラクターに選ばれると、次なる「ファイナルステージ」に進める。ここで20キャラクターそれぞれへの投票を受け付け、最多得票を獲得すると「大賞」になる。
これまで大賞に輝いたのは9キャラクターで、連覇経験があるのは4キャラクターだ。88年・89年に人間の男の子をモチーフにした「みんなのたあ坊」が連覇したのを皮切りに、91年から95年にかけて犬のキャラクター「ポチャッコ」、98年から09年にはキティが12連勝したが、インターネット投票が始まった10年と11年にはウサギの「マイメロディ」に座を奪われた。キティは12年から首位に返り咲き、今回も1位だと3連覇になる。
各キャラクターがしのぎを削る中、サンリオは14年5月25日時点のWEB投票を集計した「中間発表」を出した。キティはEグループの1位だが、得票数(2万687票)を見ると、全キャラクターの5位となっている。
先を行くのは、Bグループ1位の「ポムポムプリン」(4万281票)を筆頭に、Aグループ1位の「シナモロール」(3万2694票)、Aグループ2位のマイメロディ(2万7067票)、Cグループ1位の「リトルツインスターズ(キキ&ララ)」(2万4949票)だ。なおポムポムプリンも大賞の経験(97年)がある。
中間発表でキティは、Eグループ2位の「KIRIMIちゃん.」(1万8347票)に2000票以上の差をつけているが、3位の「ぐでたま」(1万7586票)とともに団子状態になっている。
焦るツイッター「このままだとプリンに負ける」…
あくまでこれは「中間発表」だ。ここには5月26日以降のWEB投票や、ショップやピューロランド、「いちご新聞」の票は加算されていない。13年もキティは中間発表5位だったが、最終的には1位になった。反対に中間発表1位のポムポムプリンが3位に落ちたこともあり、今年も票が動く可能性は高い。
ツイッター上では、
「正直、店頭票は完全にメロディ、リトルツインスターズ、キティさん圧勝やと思う。ウェブはマジ組織票が凄い」
などのように、古参ファンは店頭から票を投じるとの予想もあるが、キティ陣営も楽観視はしていないようだ。
「キティやばい。一次は良いかもだけど!」
「みんなもっとキティ様に投票しろよ!!!!!!」
「キティ先輩の投票数ヤバくない??このままだとまたプリンに負けるね」
一方で、キティに次ぐEグループ2位「KIRIMIちゃん.」の人気も目立つ。このキャラクターは13年に誕生した「サケの切り身」をモチーフにしたキャラクターで、今回のキャラクター大賞が初陣となる。絶対王者・キティの「かませ犬」として扱われていると感じ、つい判官びいきしたくなるようだ。
「キティが投票でシャケくんに追いつかれそうシャケかんばれ」
「KIRIMIちゃんに投票してキティを予選落ちさせようぜ!」
「ハローキティ女王陛下がKIRIMIちゃん.さんに迫られすぎじゃないですか?」
「Eグループがハローキティの出来レースなメンツだったからKIRIMIちゃんに投票した」
キャラクターへの情熱は、AKB48総選挙の「推しメン」に対する思い入れと似ているらしく、
「KIRIMIちゃんを、この子をキティに勝たせてあげたい、輝かせてあげたい……そう思いながら投票してたらAKBファンの気持ちが分かった気がする」
という声もある。
今年40周年を迎えるキティは、1年目の新参者・KIRIMIちゃん.を引き離せるのか。「1stステージ」は6月15日に締め切られ、7月8日から21日には「ファイナルステージ」が行われる。大賞の発表は8月2日だ。