2024年 4月 26日 (金)

「イスラム国」の脅威が広がってきた 比較的安全とされたチュニジアでもテロ

   日本人3人が死亡するなどしたテロが起きた北アフリカのチュニジアは、観光クルーズのルートとして人気だった。しかし、過激派組織「イスラム国」と事件が関係する可能性が報じられており、その影響を懸念する声も出ている。

   チュニジアは、中東・北アフリカ地域では比較的治安がよいとされ、首都チュニスやその近郊は、外務省の渡航情報では、最も危険度が低い「十分注意」のレベルだった。

  • 最も危険度が低かったが…
    最も危険度が低かったが…
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外務省は、渡航情報の危険度を1段階上げる

   ところが、首都の中心部にあり、「チュニジアのルーブル」と観光客に人気の国立バルドー博物館で2015年3月18日、武装集団による大規模テロが起きてしまった。

   報道によると、事件で、外国人観光客ら19人が死亡するなどし、日本人も地中海クルーズに参加していた6人が死傷したことが分かっている。犯人2人は射殺され、ほかに3人が関係していた可能性があるとされている。

   犯行声明はまだ出ていないが、チュニジアの過激派組織「アンサール・アル・シャリア」が数日中に攻撃が起こると事件前日にネット上に音声を上げていた。この組織は、「イスラム国」への支持を表明していることから、関連性も指摘されている。

   事件を受けて、外務省は19日、チュニジア渡航者への注意喚起をサイト上に出し、チュニスについては、渡航情報の危険度を1段階上げて、「渡航の是非検討」とした。そして、不要不急の渡航は控えるよう呼びかけている。

   チュニジアはこれまで、「中東民主化のモデル」だとされていた。11年に独裁政権が倒れる「ジャスミン革命」が起き、民主化運動「アラブの春」が始まったとされているからだ。

   しかし、同時に、混乱に乗じて過激派が活動を活発化させたとも言われている。最近は、中東・北アフリカ地域などで、イスラム国への支持を表明する過激派が増えており、観光地といえども安全と言えるか懸念も出てきた。

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