変調きたした野村証券 「リーマン買収」のツケが回ってきたのか

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   野村ホールディングス(HD)の業績が変調をきたしている。2016年1~3月期の連結決算(米国会計基準)は、最終損益が192億円の赤字(前年同期は820億円の黒字)だった。

   資源安などの影響で、海外で株式や債券の売買を仲介するビジネスが落ち込んだのが主因だ。このため、野村は特に深刻な欧州を中心にリストラに着手し、人員削減に踏み切った。

  • 野村HDは「想定外の市場の落ち込み」と説明
    野村HDは「想定外の市場の落ち込み」と説明

海外部門が6期連続の赤字

   野村HDが4月27日に発表した2016年3月期連結決算は、売上高にあたる純営業収益が前期比13.0%減の1兆3956億円、最終利益が41.5%減の1315億円という減収減益になった。そのうち海外事業は、市場環境の急速な悪化が響き、税引き前損益は796億円の赤字で、前期(164億円の赤字)から大幅に悪化し、6期連続の赤字となった。

   とりわけ市場の動揺が増した16年の年明け以降(1~3月期)に限ると、全社で最終赤字を192億円計上。四半期ベースでの最終赤字は2011年7~9月期以来4年半ぶりのことだ。

   この事態を、野村HDは「想定外の市場の落ち込み」(北村巧・財務統括責任者=CFO)と説明する。確かに、年明けからは強い逆風に見舞われた。中国経済への不安が再燃し、原油安はとどまるところを知らず、日本国内では想像できないほど、海外市場で資金の動きが停滞し、「(債券市場では)流動性が枯渇した」(北村CFO)。欧州が最もひどかったが、アジアの新興国関連でも投資が落ち込んだという。

   こうした状況を受け、16年3月期決算に、リストラ関連費用として約160億円を計上し、決算発表に先立つ4月12日に海外戦略を見直す計画を発表した。具体的には、欧州で株式の引き受けや企業調査から撤退するほか、米国も株式業務を中心に縮小するなど、欧米の法人向け事業を対象に人員削減を伴うリストラを実施。全社の法人部門では18年3月期までに7億ドル強(約770億円)のコストを削減すると説明する。詳しい人員削減内容は明らかにしていないが、関係者 によると500~1000人規模になる見込み。いずれにせよ、コストカットで損益分岐点を下げ、利益を確保しようという計画で、17年3月期には海外事業の黒字化を目指すとしている。

収益減少と人員削減の悪循環

   野村HDは2008年、破たんした米投資銀行リーマン・ブラザーズの欧州・アジア部門を買収した。このリーマン・ショックでは、三菱UFJ銀行も90億ドル(当時の為替レートで約9000億円)を米モルガン・スタンレーに出資するなど、当時は「ジャパンマネーの復活」ともてはやされた。

   しかし、野村HDの海外部門はその後、赤字を垂れ流すことになり、2011年7月と11月には人員削減などで計12億ドル(同972億円弱)、12年9月に同じく10億ドル(同785億円)など、人員削減などのリストラを繰り返している。12年のリストラの際に掲げた海外部門の「2016年3月期に500億円の黒字」という目標は、もちろん達成できなかった。

   2008年のリーマン買収の際、野村HDは欧州部門について、不動産や有価証券などの資産・負債は引き継がず、「投資銀行の最大の財産である人材」に絞っての買収と説明された。だが、その後、「1人3000万円以上」といわれる人件費負担、一方で優秀な人材が流出するなどのため、期待したような収益が挙げられぬまま、リストラに追い込まれ、さらに稼ぐ力が落ち、またリストラ......という悪循環に陥った。

   リーマン・ショックを機に国際金融規制が厳しくなり、世界的に投資銀行業務は収益力が低下している。これに、金融市場の混乱が追い打ちをかけた形だが、リストラによる収益改善は緊急避難でしかない。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど世界トップクラスとの競争に割って入り、世界的な投資銀行になるという野望の実現に向けどのような戦略を描くか。新たな道は、まだ見えてこない。

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