2024年 4月 28日 (日)

ペットに初のメタボ基準 飼い主と仲良く太り過ぎ対策

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   ペットの寿命が延びるにつれ、人間と同じような生活習慣病にかかる犬や猫が増えているが、日本獣医生命科学大学の新井敏郎教授らの研究チームが2015年11月、生活習慣病予防のために犬と猫のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の基準を初めて作った。

   この基準は2016年秋をめどに、東京都獣医師会に加盟する約700の動物病院で活用される予定だ。

  • 猫ちゃんのぽっちゃりを可愛いと思っていると、メタボの心配が
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ペットの糖尿病や心臓病が急増

   近年、飼い主のエサのやり過ぎや室内飼育による運動不足で、肥満や糖尿病、心臓病、がんになるペットが急増している。そこで、新井教授らのグループは2008年から生活習慣病の前兆にあたるメタボを判定する基準作りを研究してきた。人間の基準は2005年に作られたが、犬や猫は今回が初めてだ。

   カギになる肥満度は、犬種によって体型や体重の差が大きいため、単純に体重や体脂肪率では決められない。そこで、牛や豚などの家畜も含めた飼育動物の健康状態をみる「BCS」(ボディ・コンディション・スコア=体型健康指数)を使った。犬や猫の肥満状態を視診(外見の太り具合をみる)と触診(触って脂肪の付き具合をみる)の両面から総合的に判断し5段階で評価する。「1」が痩せ、「2」がやや痩せ、「3」が理想体型、「4」がやや肥満、「5」が肥満だ。

人間との違いは「長生きホルモン」の測定

   研究グループは、国内外の膨大な臨床データを精査した結果、メタボに関連のある項目として、以下の基準値を選んだ。

   (1)「BCS」が5段階中3.5(犬と猫に共通)

   (2)血糖値が120(犬と猫に共通)

   (3)中性脂肪が165(犬と猫に共通)で、かつ総コレステロール値が200(犬)、180(猫)

   これらについては、基準値をオーバーすればメタボ傾向になる。ほかに、

   (4)免疫力を高める効果があることから「長生きホルモン」と呼ばれるアディポネクチンの血液中の量が、犬で10以上、猫で3以上を健康のために必要としている。逆にこれ以下だとメタボ傾向にある。

   以上の4項目のうち、(1)と(4)を必須条件とし、さらに(2)と(3)のどちらかの項目が基準を超えているものをメタボと判定する。人間との共通点は、「肥満」「血糖値」「中性脂肪」「コレステロール値」だが、人間にはある「血圧」測定がなく、その代わり「アディポネクチン」を測定するのが犬猫の特徴だ。さあ、アナタも大事な「家族」と一緒に太り過ぎ対策に努めてみては。

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