つい先日のこと。
満員で混雑するバスの車内最後部に、数人の学生が陣取っていました。取り立てて悪そうでもない、ごく普通の中高生です。
彼らはケータイゲーム機に夢中になって遊んでいます。
始発のターミナルを出発して降りる人がなく、バスはいくつかの停留所をやり過ごしました。その間、5~6分でしょうか。
商店街を進み、住宅街に入ったところで、初めてバスが停車しました。満員の乗客のうち10人ほどが順に降り、あと1人、2人が降りようとしていた次の瞬間。
突然、最後部の学生が1人、ケータイゲーム機を片手に立ち上がり、物も言わずに車内中間部にある降車口に向かいはじめました。
狭い通路に立っている乗客をかき分けるようにして、一目散に降車口へ向かっていますが、「すみません」「通してください」といった一言もありません。
ピーッと音がして、閉まりかけていたドアを通学鞄で遮り、学生は何とか降車しました。何事もなかったかのように、またケータイゲーム機で遊びながら、ゆっくりとバスの傍らを歩いています。
(続く)
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