包丁を振り回し「アル中のジェイソン」と陰口される料理長

2009/9/28 11:40

   飲酒のコントロールができなくなり、心身を害したり、周囲に迷惑を掛けたりする「アルコール依存症」。ひどくなると、昼間から職場のトイレなどで隠れて飲まずにいられなくなることもあるようだ。ある会社の担当者は、現場リーダーがアルコール依存症ではないかという噂を耳にして、対応に困っている。

>>ヨソでは言えない社内トラブル・記事一覧

でも現場仕事は止められない

――飲食店の総務担当です。当社は都内に和食料理店を5店舗運営しています。現場は昔ながらの古い体質で、新卒といえども仕事を教えてもらえる雰囲気ではなく、

「先輩の背中を見て盗め」
というのが伝統とされています。
   もともと厳しい職場環境でしたが、料理長が新しくA氏になってからは離職率がさらに高くなりました。ミスをすると鉄拳制裁は当たり前、時には包丁の峰で叩くこともあったようです。
   しかし、A氏は有名店から腕の良さで引き抜かれてきたこともあり、仕事は若手の何人分もこなしており、店長も黙認せざるを得ない状況でした。
   ただ、3ヶ月ほど前から状況は悪化し、A氏はたびたび朝方まで酒を飲んで、そのまま出勤して酒臭い状態で仕事をするようになりました。
   若手の間では「Aさんはアルコール依存症じゃないか」と噂され、包丁を振りかざすことから『13日の金曜日』のキャラになぞらえ「アル中のジェイソン」と陰口を叩かれています。
   辞めずに残っている若手は「実家の飲食店を継ぎたいので、どうしても技術を身につけたい」と我慢していますが、周囲からは
「もはや指導ではなく、感情のおもむくままに殴っている」
と見られています。
   でも、いまA氏に抜けられれば、現場の仕事は止まってしまうおそれもあります。こんな料理長には、どう対応すればよいでしょうか――

(続く)

尾崎 健一(おざき・けんいち)

臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て、2007年に独立。ライフワーク・ストレスアカデミー代表として企業のコンサルティングを行いながら、秋田大学医学系研究科で自殺予防の研究に携わっている。『ケーススタディ 認知行動カウンセリング』(至文堂)に執筆者として参画。共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

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