長らく「キャリア官僚の天下り根絶」を公約に掲げてきた民主党が、いよいよ政権与党となった。もちろん、言うだけなら簡単なことだ。歴代の自民党政権にしても、そういう政策は掲げ続けてきたわけで、どこまで実を結ぶかは今後の民主党次第だろう。
そういう意味では、「天下りを受け入れたら補助金削減します」と赤松農相が明言するなど、今のところうやむやで終わらせるつもりはないようだ。霞が関の僕の友人の中には、すでに転職活動を始めた人間もいる。
ところで、彼ら官僚が、そうまでして天下りに執着する理由とはなんだろう? 結論から言うと、彼ら自身の年功序列制度を維持するためだ。
民間と違い、彼らは法律によって組織が決められているため、基本的にポストが増えることはない。つまり「長い下積みを頑張った官僚たち」に出世で報いるためには、外部にポストを確保しないといけない。それが独立行政法人や特殊法人などの天下り団体であり、そこを経て様々な民間企業に散らばっていくわけだ。天下りとは、彼らの年功序列制度を維持するための動脈のようなものである。
仮に、民主がいうように、天下りを根絶すれば何が起こるか。次官や局長といった高位ポストには、ベテランが定年まで在職することになり、それより下も流れが停止してしまう。キャリア官僚であれば、従来は課長級までは誰でも上がれたものが、これからは半分以下になるだろう。
下がるのは肩書きだけではない。官僚の給料は指定職まで出世しないと民間大手企業より低いので、たとえば局長を経験して天下った90年代の先輩方と比べると、生涯賃金も半分以下になるはずだ。文字通りの"飼い殺し中産階級"である。
(続く)
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