2024年 4月 25日 (木)

なぜ!? 「迷惑メール業者」に知られてしまったケータイアドレス

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   ある地方都市の会社でパートとして働く40代の女性が、こんな悩みを友達に相談していました。

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ネットで買い物したら不審なメールが届くように・・・

   この女性がケータイを持ったのは、そもそも、小学校に通う子どもと連絡を取るためでしたが、別に家庭のパソコンでネット通販も利用していました。

   細々とした消耗品や日用品、たとえば、夫や子どもの靴下やTシャツなどを安く、まとめて買うのに便利だからです。

   ある日、職場がとても忙しく、いつもならパソコンのメールでやり取りするネット通販の買い物を、ケータイメールで行いました。すると、翌日から、迷惑メールがケータイ宛に送られてくるようになったのです。

   数はそれほどではありませんでしたが、仕事中にいつもより頻繁にメール着信音がなるので、最後には気が気ではないどころか、怖くなってしまったそうです。

   なぜ、パソコンメールの時にはほとんどなかった迷惑メールが、ケータイメールのアドレスでやり取りしたとたんに増えたのか。心配になって、オフィスオートメーション時代からワープロやコンピュータを使っていて、ネット事情にも詳しい友達に相談した、というわけです。

   友達は、パソコンメールのプロバイダも携帯電話会社も、ユーザー保護の観点から迷惑メールをかなりちゃんとブロックしてくれているが、それでも通り抜けてしまうものがある、と教えてくれました。

通販業者の「規約」の中に怪しい文言があった!

   それにしても、なぜ自分のケータイメールのアドレスを迷惑メールを送る相手が知ったのか、女性はわかりません。

「ネット通販を申し込む時の規約を見てごらんなさいよ。調査や情報を知らせるために、当社が認めた第三者に連絡先を開示する場合がある、申し込み者はそれを認めたものとする、とかって書いてあるわよ、きっと」

   女性は家に帰ってからパソコンを立ち上げ、ネット通販業者の画面へアクセスし、申し込み画面を表示して規約の部分をよく読んでみました。

「ああ、確かに彼女が言ってたようなことが書いてあるわ……」

   美しいものにトゲがあるように、便利なものにもウラがあるのね。

   そうは思ってみたものの、何か得心がいきません。安く売ってくれるかわりに、こうした手で利益を補填しているのかとも考えてみましたが、それでも、だからといって一方的にこちらの個人情報を、こちらが知らない相手に開示してしまうというのが、何か変に思えるのです。

   とりあえずは、友達に教えてもらったとおり、ケータイメールのブラックリストに迷惑メールのアドレスを登録しました。そのせいか、最近では迷惑メールはかなり減っていますが、それでも時々、来てしまいます。

   自分のケータイアドレスが、世界中の迷惑メール業者の間をグルグル回っている。そんな想像をすると、怖くもなるが、同時に滑稽な気にもなる。

   女性は、友達への御礼のメールに、そんな感想を書いたのだそうです。

井上トシユキ


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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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