つわりで休みがちな女性社員を辞めさせられる?

2010/4/23 10:56

   少子化対策、子育て支援は社会的な課題でもある。しかし、人員面でも金銭面でも、余裕のある会社は多くない。ある会社の課長は、妊娠した部下が会社を休みがちで、仕事が滞りがちになっていることに頭を抱えているという。

>>ヨソでは言えない社内トラブル・記事一覧

以前から溜まっていた不満も噴出

――中堅メーカーの営業課長です。女性営業アシスタントのAさんについて、困っていることがあります。彼女は妊娠6か月ですが、つわりが酷いらしく、かれこれ10日ほど会社に顔を見せていません。
   妊娠が明らかになってから何回か休みを取っており、通算すると1か月近くになる勢いです。このため部の仕事が滞っており、部下からは
「Aさんには辞めてもらって、代わりにもっと若い人を採用しませんか」
という提案まで挙がっています。
   就業規則を見てみると、確かに解雇事由として「病気等により1か月以上出社困難な場合」という項目があります。連続ではないですが、同じ理由でまとめて通算すると当てはまりそうです。
   もともと彼女は遅刻や早退が多く、残業の指示にも従わないので、使いにくいとは感じていました。本人がいなくなってからは、部下たちから
「実はお願いしたことをきちんとやってくれていなかった」
「以前からミスが多すぎた」
という不満も噴出しています。
   しかし、妊娠は病気かどうかわからないので、適用できるかどうか分かりません。一方、これまでも問題の多かった社員なので、これを機に退職させるのが会社のためかとも思うのですが、いかがでしょうか――

(続く)

尾崎 健一(おざき・けんいち)

臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て、2007年に独立。ライフワーク・ストレスアカデミー代表として企業のコンサルティングを行いながら、秋田大学医学系研究科で自殺予防の研究に携わっている。『ケーススタディ 認知行動カウンセリング』(至文堂)に執筆者として参画。共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

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