休職期間満了で会社を辞めたら「請求書」が来た!

2010/5/ 6 11:01

   メンタルヘルス不全の休職者が増え、これに対応する制度を整備している会社も多いだろう。しかし、休職者への説明は忘れられがちのようだ。ある会社では、休職期間満了で退職する部下からのクレームに、現場の上司が戸惑っている。

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社会保険料の支払い「会社が勝手に立て替え」

――IT企業の開発課長です。部下のA君がうつ病で休職していましたが、このたび通算期間が2年を超えるということで、人事部から「自己都合退職とする」旨の連絡を受けました。上司として大変残念です。
   A君からは「休職するときには、通算2年が限度と聞いていなかった」と抗議がありましたが、就業規則に書いてあると伝えたところ、しかたなく諦めたようです。
   ただ、退職金が支払われない上に「請求書」が届いたのには納得できないということでした。
   人事部に確認したところ、A君の休職中の社会保険料を会社が立て替えていたため、これを請求したということでした。
   規定では、すずめの涙ほどの退職金が支払われる予定で、A君もこれをあてにしていたようでしたが、社会保険料を控除するとマイナスになり、不足分を請求したのだそうです。
   これにはA君はたまらず、

「私は会社に立て替えてくれと頼んだ覚えはありません!」
とクレームを入れました。会社が勝手に払っておいて、退職時に引き去るなんてあんまりだと、たいそう憤っています。
   私は管理職の立場ではありますが、できることなら自分の部下だったA君を守りたいと思います。本当に、どうしても支払わなければならないものなのでしょうか――

(続く)

尾崎 健一(おざき・けんいち)

臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て、2007年に独立。ライフワーク・ストレスアカデミー代表として企業のコンサルティングを行いながら、秋田大学医学系研究科で自殺予防の研究に携わっている。『ケーススタディ 認知行動カウンセリング』(至文堂)に執筆者として参画。共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

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