イライラするとなぜ「焼肉」が食べたくなるのか

2010/6/ 7 12:00

   ストレスを感じたとき、人はつい食べ過ぎてしまいます。なぜ、食べることでストレスが解消された気になってしまうのでしょうか。今回は、私たちの身体の中の「ストレス」と「食べ過ぎ」が結びつく仕組みについて説明します。

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食べる行為にはストレスを癒す作用がある

焼肉でなければならない科学的根拠がある
焼肉でなければならない科学的根拠がある

   ストレスとなる出来事に遭遇したとき、私たちの体内では、ストレスから身体を守るためにさまざまなホルモンが分泌されます。代表的なものは、腎臓の上に帽子のようにかぶさっている副腎から分泌される「コルチゾール」と「アドレナリン」です。

   この2つのホルモンには、呼吸数を多くしたり心拍数や血圧、血糖を上げたり、炎症を抑えたりする作用があります。「緊張の神経」である交感神経を優位にし、ストレスと闘えるよう準備を整えているわけです。

   このホルモンがうまく分泌されることで、仕事や運動に集中して能力を発揮することができます。その意味で、ストレスにさらされてホルモンが分泌されることは、必ずしも悪いことではありません。

   しかし、ストレスと闘った後には、興奮をしずめ、傷ついた身体をいやさなければなりません。そのためには交感神経にかわって、「弛緩の神経」である副交感神経を働かせることが必要になります。

   実は「食べる」という行為には、副交感神経を優位にする作用があるのです。また、コルチゾールやアドレナリンにも食欲を刺激する作用があります。したがって、ストレスにさらされると、つい大食いをしてしまうということが起こるのです。

(続く)

イライラしたら何が食べたくなりますか?
焼肉
ケーキ
焼き鳥
鶏の唐揚げ
ビール

筑波大学大学院・松崎一葉研究室

高度知的産業に従事する労働者のメンタルヘルスに関する研究を行い、その成果を広く社会還元することを目指している。正式名称は筑波大学大学院人間総合科学研究科 産業精神医学・宇宙医学グループ。グループ長は松崎一葉教授(写真)。患者さんを治療する臨床医学的な視点だけではなく、未然に予防する方策を社会に提案し続けている。特種な過酷条件下で働く宇宙飛行士の精神心理面での支援も行っている。松崎教授の近著に『会社で心を病むということ』(東洋経済新報社)、『もし部下がうつになったら』(ディスカバー携書)。
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