2024年 4月 19日 (金)

節電対策に新アイデア 「ノー残業月間」「シエスタ休暇」

   電力各社からの要請を受けて、地方自治体がユニークな節電対策を打ち出している。

   大阪府のように「(節電の必要性の)根拠が示されなければ(これ以上の)協力はしない」と突っぱねるところもあるが、月の残業を全廃したり、電力ピーク時に有給休暇の取得を促すなど、前例のないアイデアも生まれているようだ。

九州電力「総量削減でも十分意味あり」

制度をいじらなくても運用で働き方を変えられる
制度をいじらなくても運用で働き方を変えられる

   北九州市は夏場の節電対策の一環として、2011年の7月と8月を「ノー残業マンス(月間)」とし、市庁舎と全区役所を毎日午後6時に一斉消灯する。

   職員には午後5時15分の定時終業を促し、各課の課長などが巡回して消灯を確認する。

   ネット上には、市をあげた残業削減の試みに「えらいぞ市長!」と評価する声もあるが、「今までの残業は必要だったのか」「節電の掛け声ひとつでなくなる残業って…」と疑念を呈する人もいる。

   また、節電が必要なのは電力使用量がピークとなる午後1時から3時頃までであり、5時過ぎの退庁は「節電する上で意味がないのでは」という冷ややかな意見もあった。この点について九州電力に確認したところ、

「原子力発電所の停止により、火力発電所の稼動を増やしているが、現時点ではこの夏に使う分の燃料確保が間に合っていないのが事実。ピーク時の削減はもちろんありがたいが、電力使用量の総量の削減であっても十分意味がある」

と、北九州市の取り組みを評価している。

   市人事部では、持ち帰り残業を防止するため、突発的な残業が発生した際のルールを検討中という。市役所勤務を名乗る人から「夜残業ができなくなり、6時に出勤して仕事を片付けている」と嘆く書き込みもあり、傍で想像するほど楽ではないようだ。

   また、岐阜県庁でも7月から9月まで、電力消費のピーク時に合わせて「時間単位の有給休暇」の取得を促す予定だ。午後1時から3時までは自宅に帰り、のんびり昼食や昼寝を楽しむ人も出てくるかもしれない。

本場スペイン「シエスタの慣習は廃れている」

   岐阜県によると、休暇の取得は強制的ではなく、「緊急の仕事のない人が、上司と相談して個人の判断で行う」とのこと。職員への呼びかけ方法は検討中だが、昼休みを長くとる形になることから「シエスタ休暇」と名づけられる予定だ。

   「日本もいよいよスペイン並みか」と言いたいところだが、本場スペインではすでに「シエスタの慣習は非効率」と考えられており、スペイン大使館によると「大都市圏ではほとんど廃れていると言っていい」状況だという。

   午後2時から5時まで昼休みを取っているのは、地方の企業や一部の小さな店舗のみ。職場と自宅がよほど近い人でもない限り、行き来するのも大変だ。2006年には公務員のシエスタ制度も廃止された。

   岐阜県でも、職場と自宅が近い人ばかりとは限らず、職場に夕方戻るのはかえって非効率という声もあり、「仕事の都合がつけば、思い切って午後半休する人が増えるかもしれない」としている。

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