大口顧客が不満顔 「今度の担当は独身か、頼りないな…」

2011/7/15 11:36

   50歳の時点で一度も結婚したことのない人の割合を示す「生涯未婚率」は、男性で19.4%にのぼり、2030年には約3割となる見込みだという。

   ある会社では、「担当者は既婚者の方がいい」という顧客の要望にどう対応すべきか、副支店長が頭を悩ませている。

>>ヨソでは言えない社内トラブル・記事一覧

「別の社員を探そうか」と支店長

――地方の金融機関の副支店長です。秋の異動で、大口顧客の担当者を変更することにしました。そのことをお客さまに伝えに行ったのですが、反応がよくありません。

   いわく「担当者が独身者では、頼りない」とのこと。これまで担当だったA君は、結婚5年目の既婚者。30代半ばで、子どもは2人います。

   一方、新しく担当を予定しているB君は、A君の3歳年下で独身。身なりに清潔感があり、仕事ぶりも誠実で能力に問題ありません。

   確かに昔は、社内にも「オトコは結婚して一人前」といった価値観をもった人が多くいました。結果的に、現在の管理職はすべて既婚者という状況ではあります。

   しかし、今はそんなことを言っていては優秀な独身者を有効に活用できませんし、なにしろ数も増えているので、既婚か否かといったフィルターなどかけていられないのが現実です。

   もう廃れた価値観だと思っていたのですが、久しぶりに面と向かって言われると、大口だけに対応にも迷いが出ます。支店長に相談したところ、

「お客さんが言うなら、しようがない。別の担当者を探そうか」

と言います。B君に、それとなく話したところ、

「ボクは当面、結婚する予定はないですよ。これからも大口は持てないということですか」

と呆れて苦笑していました。本当は、相当に腹を立てているのではないかと思います。支店長の言うとおりにするしかないのでしょうか――

(続く)

尾崎 健一(おざき・けんいち)

臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て、2007年に独立。ライフワーク・ストレスアカデミー代表として企業のコンサルティングを行いながら、秋田大学医学系研究科で自殺予防の研究に携わっている。『ケーススタディ 認知行動カウンセリング』(至文堂)に執筆者として参画。共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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