2024年 4月 19日 (金)

フジテレビは韓流ドラマでも何でも自由に流せばいい

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   韓流ドラマを垂れ流すテレビ局への批判が強まっている。日本のテレビ局なんだから、わざわざ韓国のPRをするなということらしい。中には「これは電〇と韓国政府の陰謀に違いない」的な妄想を膨らませている中学2年生もいるようだ。

   実際のところは、単純に「金がないから出来合いのものを安く買ってきて済ませている」というだけの話で、アジア諸国に事業をアウトソーシングしている他の企業とやってることは変わらない。

「ナイトライダー」も海外ドラマだったが

   筆者が十代の頃は「ナイトライダー」とか「特攻野郎Aチーム」とか、そういうアメリカ製のB級アクションばっかり流されていたが、同じくらい数字の取れるコンテンツが、近場から安く仕入れられるようになったというわけだ。それだけ、日本とアジアが成熟したということだろう。

   ただし、他の会社との違いが一つだけある。それは、彼らテレビ局に顧客目線というものが欠落しているという点だ。

   普通の製造業だったら、高すぎる社員の給料を見直したり事業を売却したりして、浮いたお金で画期的な新製品を開発する会社もあるだろう。大手がやらなくても、後発の新興企業がやるかもしれないし、新興国メーカーは次々に廉価モデルを投入してくるはずだ。

   もちろん、それらに対抗して、高い人件費を維持しつつ、高い品質で勝負する路線もアリだ。

   要するに、どの会社も、消費者のニーズというものを第一に考え、それに見合うように商品から組織、人事制度にいたるまで、常に修正し続けているわけだ。

   代表例はパソコンで、我々消費者は家電店に行って、富士通、NECからエイサー、アップルまで、いろいろなラインナップの中から自分のニーズに合った製品を自由に選ぶことができる。

批判の対象は「殿様商売」だ

   ひるがえって、規制で守られたテレビ局はどうか。すべての局がそうとは言わないが、明らかにいくつかの局はそういった努力をまったく怠っているように見える。

   自分たちの高給に手をつけるでもなく、それに見合ったクオリティのコンテンツを作るでもなく、ただ安いからという理由で買ってきた輸入品を、

「うわあ面白いですねえ、いま大ブームですねえ」

とばかりにマッチポンプで宣伝しまくるのは、はっきりいって見苦しい。

   安物の海外ドラマを流しただけでこれだけ叩かれるのは、テレビ局のこういった殿様商売の姿勢に、多くの視聴者が気付いているからだろう。

   もちろん、何を流すかはテレビ側の自由だし、いまさら文化鎖国なんてやったら世界に恥をさらすのは日本の方だ。韓国だろうが中国だろうが、流したいコンテンツを流すといい。

   ただ一つ言えるのは、顧客が欲しいものではなく、自分たちにとって都合の良いモノを優先する企業は、長期的には必ずパイを失うということだ。局をあげてプロ野球をプッシュし続けても、結局中継枠を守れなかった某局に、他局は学ぶべきだろう。

城 繁幸

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人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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