休日に仕事のケータイ電話 「気が休まらない。電源切りたい!」

2011/10/21 15:27

   パソコンにケータイ電話、スマートフォン…。仕事の環境は高度化し、コミュニケーションの手段は便利になる一方だが、なぜか「仕事が楽になっている」気がしない。

   ある会社では、時間を問わずケータイ電話に連絡を入れる上司に、若手社員が「気の休まるヒマがない」と音を上げている。

無視すると「電話に出んか!」とショートメール

――関東に本社を置く中堅メーカーの人事担当です。先日、営業担当のA君から「上司の課長のことで参っている」と相談を受けました。

   仕事熱心な課長は、気になることがあるとすぐに部下に電話をかけるクセがあるのだとか。それも平日の終業後だけでなく、会社が休みの日でもお構いなし。

   「共有パソコン使いたいんだけど、パスワードなんだっけ」「お客さんからクレーム入ったんだけど、至急確認してくれないか」といった緊急性のある内容ならまだしも、

「いま車に乗ってて、思いついたんだけどさ」
「そういえば、さっきの打ち合わせで言い忘れたんだけど」

といった不急の用事まで電話をかけてくるのだそうです。しばらく無視していると、「電話に出んか!」とショートメールが送られてきます。

   特に耐えられないのは、休みの日にケータイにかかってくる電話。当社は第2土曜日を出勤日にしているので、その週の休みは日曜日だけ。A君は、

「なけなしの休みに、外出中にかかってくるかもと考えると、本当に気が休まらない。電源を切らせてもらいたい」

というのですが、課長に聞くと「お客から急なクレームもあるんだから、出られるようにしてもらわなければ困るよ」。

   A君は「電話に出たら出勤日扱いにしてもらいたいくらい。少なくとも電話に出た分の残業代と休日出勤代は必要ですから」と腹を立ててしまいました。仕事の用件とはいえ1回数分の電話のために、そんなお金を払う必要があるんでしょうか――

(続く)

尾崎 健一(おざき・けんいち)

臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て、2007年に独立。ライフワーク・ストレスアカデミー代表として企業のコンサルティングを行いながら、秋田大学医学系研究科で自殺予防の研究に携わっている。『ケーススタディ 認知行動カウンセリング』(至文堂)に執筆者として参画。共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

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