先日、「オキュパイ・トウキョウ」というフレーズのもと、「ウォール街デモ」に呼応したデモが都内でも催されたが、参加者はトータルで200名前後にとどまったそうだ。
「格差是正」に加えて「反原発」まで取り込んでこの結果ということは、完全な空振りと言っていいだろう。筆者はそこに、派遣村に始まる一連の「反貧困」ブームの終焉を感じる。正社員労組が政権バックについて、派遣村村長が内閣府入りしても、状況は何も変わっていないのだから無理もない。
派遣村で一気にその知名度を高め、一時はメディアで目にしない日はないというほどクローズアップされた反貧困運動だが、最近ではその名を耳にする機会もほとんどなくなった。
理由は簡単で、日本には分かりやすい悪役がいないから。
「派遣事業を規制しろ」
と要求していた人たちは、派遣労働者が減っても正社員が増えていない現実に対して、誰に文句を言っていいのかわからない。
「小泉政権で格差拡大」
なんて言ってきた人たちは、いまさら連合を支持基盤とする現政権に、デモを仕掛けるわけにもいかない。
かつて麻生邸に冷やかしに行った人たちは、貧乏くさい野田さんの家に行ったって仕方ない。経産省や東電という何をしたいのかよくわからないコースは、そのまま彼ら自身の迷走ぶりをあらわしている。
そもそもデモというのは人権や利益分配という点で、搾取されている側が搾取している側に対して起こしてはじめて意味がある。そういう意味では「中東の春」は立派なデモだったが、「ウォール街デモ」はデモではない。
ウォール街と一般市民の間にいかなる「搾取-被搾取」の関係も成り立っていないから、ウォール街を潰して更地にしても一般市民が豊かになるわけではない(むしろ税収が減る分、貧しくなるだろう)。
ターゲットとして分かりやすいから流行ってはいるが、時間の無駄だと気付いた人から抜けて下火になるだろう。もともと金融の弱い日本で真似するのは、さらなる時間の無駄である。
(続く)
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