ファーストリテイリング傘下のユニクロの「新卒一括採用廃止」が話題となっている。新卒・中途の採用を一本化し、場合によっては1年生でも内定取得可能とするらしい。
人材育成という観点からみると、同社の決定はピンポイントで本質を突いたクレバーなものだというのがよくわかる。今後の労働市場の行く末を示唆する変革なので、簡単に論点を整理しておこう。
企業が「終身雇用」を前提とする場合、人材育成方針としては社内OJTでじっくり育成するのが合理的だ。自社に特化した濃い教育を深く与えられるからだ。
この場合、できるだけ地頭が良く若い人材を採るのが理想で、「大学名と年齢以外は見ない」という新卒一括採用は、ここが根っこになっている。
ただ、この方法にはいくつか欠点がある。まず、20歳前後の4年間が実にムダである点。特に「知識の応用」という本来の高等教育を受けないまま社会に送り出されてくる人材は、高度成長期のころの企業戦士としては十分だったかもしれないが、21世紀のホワイトカラーとしてどれだけ戦力になるかは未知数だ。
そして、自社だけで本当に長期的に価値のある人材が育成できるのか、という点も疑問が残る。本当に長期雇用でそんな人材が育成できているのなら、早期退職の募集は40歳以下で行われるはずなのに、現実には逆だからだ。
一方で、ある程度の「人材の流動化」を前提とする場合は、その都度中途で即戦力の人材を採るのが合理的だ。この方法なら、ガラパゴスの珍獣みたいな中高年社員で社内があふれかえる心配もないし、多様性のある人材を確保することが可能になる。
こうなると、22歳のピチピチの男の子にこだわる必要はなくなるから、新卒一括採用を辞めて中途採用と一本化するのが自然な流れだろう。
(続く)
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