2024年 4月 20日 (土)

「中年男性が多い部署イヤ!」 若手女性社員の異動拒否は認められるか

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   セクハラ・パワハラ問題の啓蒙が進んだ結果、以前は我慢したり泣き寝入りしていたことが、堂々と告発されるようになった。それ自体は悪いことではないが、ハラスメントを盾に社員が会社に要求を突きつけるケースも出ているようだ。

   ある会社では、ある優秀な若手女性社員を本社に呼び寄せようとしたら、「その部署はセクハラじみた言動をする中年男性が多いので行きたくない」と拒否されてしまった。社長が注目している社員でもあり、人事が頭を抱えている。

しつこい係長がいるので「どうしても行きたくない」

――食品商社の人事です。地方支社の女性社員に東京本社への異動の内示をしたのですが、強く断られてしまい困っています。

   東海支社で営業を担当する20代のA子さんは、入社3年目にもかかわらず、さまざまな販促アイデアを打ち出して支社の成績を伸ばしています。

   社長も注目していて、先日開催された管理職会議でも、

「君たちにフレッシュな発想を求めることは、もう無理なのか?もう、若手とベテランを総入れ替えにするぞ。A子クンを見習ったらどうだ!」

と名指しで絶賛されたほどです。

   そこで全社的な営業施策の見直しをするために、A子さんを本社営業本部に抜擢することにしました。彼女は入社時に本社勤務を希望していたので、喜んで従ってくれると思いきや、意外にも「お断りします」という返事が。

   理由は「本社の営業は中年男性が多く、職場でセクハラじみた言動が多くて不快だから」。特に営業係長からは、出張のたびに「飲みに行こうよ」と誘われ、メールで「彼氏いるの?」などとしつこく聞かれていたそうです。

   係長は本部の中堅として活躍中の真面目な社員です。A子さんには「異動が決まったら注意しておくから」と言いましたが、彼女は「少なくともあの係長がいる限り、どうしても行きたくない」と頑なです。こういうとき、どうしたらいいでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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