ストレスチェックが少し心配 やりがいある仕事、外されぬか

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   1億総ストレス社会などと言われる現代、ストレスを感じていない人のほうが少ないのではないでしょうか。当たり前ですが、仕事は楽しいことばかりしているわけにはいきませんよね。しかし、「仕事だから仕方ない」と、自身の辛い気持ちと向き合わずにいると、いずれ心のバランスが保てなくなり、うつ病などの精神疾患に陥ってしまう可能性もあります。とは言っても、ストレスは見た目などに表れるわけではないので、自身でも気づかないこともあるでしょう。今回は、法律で定められた「ストレスチェック」をどのように活用していくべきなのか、解説いたします。(文責:「フクロウを飼う弁護士」岩沙好幸)

  • ストレスがあるような、ないような
    ストレスがあるような、ないような

事例=残業はOK、でも検査結果しだいで不本意なことも?

   先日、会社で「ストレスチェックを実施する」という告知がありました。どういうものなのか全く知らなかったので、上司に聞いたところ「健康診断のようなものだ」と説明を受けました。僕は、この半年ほど大きなプロジェクトに関わっていたこともあり、残業や休日出勤などが続いている状態です。僕としては、とてもやりがいを感じていて、このプロジェクトを成功させたいので残業なども辛いとは思っていません。もし、ストレスチェックを受けて「ストレスが高い」と判断された場合、僕はどうなるのでしょうか。プロジェクトを外されたり、休職させられたりしてしまうのでしょうか?

弁護士回答=医師の面接指導は労働者の申し出に基づく

   私も、先日ストレスチェックを行い、WEB上で数十個の質問に回答しました。5分程度の時間がかかりましたが、特に問題なさそうな結果が出たので一安心です。

   ストレスチェックとは、自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査です。労働安全衛生法の改正を受け、平成27年12月1日より、原則としてすべての労働者に対する実施が義務付けられました(従業員数、契約期間等による例外を除く)。これにより、労働者に対して1年に最低1回、この検査が実施されることになりました。

   ストレスチェック制度が義務化された背景には、近年、うつ病などのメンタルヘルスの不調を訴える労働者が増加していることが挙げられます。つまり、メンタルヘルスの不調を未然に防止し、職場全体の労働環境の改善につなげる点にこの制度の狙いがあるのです。

   ストレスチェックは、紙媒体あるいはウェブ上で複数の質問に答える方法で行われ、質問の回答を総合してストレスの高低が判断されることになります。

   では、高ストレスと判断された労働者はどうなるのでしょうか。

   検査結果において、高ストレスと判断された労働者については、医師による面接指導が行われることになります。そして、医師の意見を踏まえて、労働時間の短縮などの就業上、必要な措置がとられます。ただし、この医師による面接指導に関しては、労働者自身の申し出に基づき実施されるものであり、決して強制されるものではありません。

仕事に対する悪影響を懸念せず検査を受けられる

   検査の結果、労働者が高ストレスと判断された場合、仕事に対して何らかの影響が生じるのでしょうか。

   検査の実施結果が企業に知れてしまうことで、結果次第では重要なプロジェクトから外されるなどの不利益が生じるのではないかと懸念されるかもしれません。たしかに、企業の判断として、メンタルヘルスに不調のある労働者をプロジェクトから外すといった事実上の不利益が生じることは可能性としてあり得ることでしょう。しかし、ストレスチェックは企業ではなく、産業医などによる実施が義務付けられています。また、実施結果が企業に直接提供されることはなく(企業への情報提供には本人の同意が必要)、産業医などが厳重に管理することになっていますので、労働者は仕事に対する悪影響を懸念することなく、検査を受けることが可能となっています。

   また、ストレスチェック自体を受けない、ストレスチェックの結果の提供に同意しない、医師による面接指導を受けないことなどについて、企業が労働者に対して何らかの不利益な取り扱い(解雇、退職勧奨、配置転換等)を行うことは禁止されています。

   今回のご質問では、残業や休日出勤が続いているが、やりがいを感じているとのことですので、ストレスチェックの結果、低ストレスと判断される可能性もあるでしょう。また、仮に高ストレスの結果が出たとしても、情報提供に同意しない限りは、その結果が会社に知れることもありませんので、会社が知らない以上は、プロジェクトを外されたり休職させられたりといった不利益が生じることもないでしょう。ストレスチェックは、精神的に弱っている労働者をあぶり出し、排除するためのものではないのです。

   メンタルヘルスの不調状態を知ることは、労働者にとっても意味のあることですので、「心の健康診断」を受けるつもりで、ストレスチェックを受けられてはいかがでしょうか。

   ポイント2点

●検査結果において、高ストレスと判断された労働者については、医師による面接指導が行われるが、労働者自身の申し出に基づき実施されるものであり、強制されるものではない
●ストレスチェック自体を受けない、ストレスチェックの結果の提供に同意しない、医師による面接指導を受けないこと等について、企業が労働者に対して何らかの不利益な取り扱いを行うことは禁止されている

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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