2024年 3月 29日 (金)

営業は「無から有」を生む仕事 持ち味発揮して取り組めばよい(江上剛)

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「営業に配属されましたが、どうも営業が自分に合わないように思えて、仕事に積極的になれません」

   あなたの質問に答えてはいないけど、日本の会社って営業を軽視していると思う。求職案内でも、コンピューターなどの専門家などは募集するが、営業の専門家を募集しているのは寡聞にして知らない。

  • 営業は戦国武将の戦いのようだ
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専門性の高い仕事と実感

   私は営業しかやっていない。もちろん、人事や広報を経験したが、営業が一番長かった。私は、営業が好きだったから、とても楽しかった。しかし、この営業という仕事は、かなり難しい、専門性の高い仕事だと実感した。だからもっと尊敬されてもいいと思っていた。

   営業なんて誰でもやれるさ、と嘯(うそぶ)く人がいるが、とんでない。誰でもできない仕事、それが営業だ。

   営業は会社の根本。営業で会社の製品を売らねば、どんなにいいものを作っても意味はない。

   営業は、客の情報をくまなく調べ上げないといけない。誕生日、趣味、家族、愛人......。そしてそれにふさわしい弁チャラから贈答、接待。雨が降ろうが槍が降ろうが、とにかく一途に客のことを考え、対応してやっとライバル社ではなくあなたの会社の製品を購入してくれる。

   相手が公務員の場合は、犯罪になるかもしれない贈賄めいたことをしなければならないこともあるだろう。これは絶対に勧めないけど、世の中には公共事業に絡んで入札を獲得するために贈賄に及んで逮捕される営業マンもいる。

   こんなに苦労しても客があなたの会社の製品を購入したり、あなたの会社と契約してくれるかどうかは、まったくの未知数。本当に営業って辛いだけで報われることが少ない仕事だと思う。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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