2024年 4月 23日 (火)

柾木玲弥、ネクストブレイク最注目株、「ネクストじゃなく、いまの僕を見て!」

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   前髪に右目が隠れた色白の超小顔は、人なつこさ7.5に人見知り2.5の絶妙なブレンドだ。

   ちかごろドラマや映画で遭遇率の高い、塩顔系の個性派イケメン俳優、柾木玲弥。「絶対、次にくる!!」と呼び声の高い若手の最注目株だが、2017年1月15日、代官山GOBLINで行われた出演作「Girl recruits her God」の完成披露試写上映会インタビューで、彼はこんな驚くべき本音をぽろり。

「ネクストブレイクって言われるのって、悔しいんですよね。ネクストってことは、今はダメなの?みたいな」

   なるほど。ぐうの音もでない。

   「ポスト何とか」「ネクスト何とか」って、しょせんはポジショニングを競う言葉で、世界でたった一つの個性を認める言葉じゃないし。

   にしても、21歳でするっとこういう返事が出るって、やはりタダものじゃないな、おぬし。

  • マキガミのもとから帰らないユーリを、ずっと車で待ち続けるケンジ(柾木玲弥)。が、嘘がバレたことをきっかけに、ケンジにも魔の手が・・・
    マキガミのもとから帰らないユーリを、ずっと車で待ち続けるケンジ(柾木玲弥)。が、嘘がバレたことをきっかけに、ケンジにも魔の手が・・・
  • 柾木玲弥。北国生まれだけあって、お肌の透明感や抜けるような色白さが際立つ。ファンのあいだでは「ツンデレ」「黙ってればクールなイケメンなのに、トークでもツイッターでも、笑いをとりに変なことをしちゃうキャラが大好き」とギャップ萠え説高し(写真家・伊原正浩氏撮影、以下4点)
    柾木玲弥。北国生まれだけあって、お肌の透明感や抜けるような色白さが際立つ。ファンのあいだでは「ツンデレ」「黙ってればクールなイケメンなのに、トークでもツイッターでも、笑いをとりに変なことをしちゃうキャラが大好き」とギャップ萠え説高し(写真家・伊原正浩氏撮影、以下4点)
  • twitterのプロフィールには、すきま産業、と一言だけ。この役はこの人にやらせたい、この人でないとだめ、と思われる俳優になりたい、という意味だという
    twitterのプロフィールには、すきま産業、と一言だけ。この役はこの人にやらせたい、この人でないとだめ、と思われる俳優になりたい、という意味だという
  • 「ただのイケメンと言われるより、個性派イケメンと言われたほうがうれしい。最低限のお芝居ができるって認められてることだけから」。ヒエラルキー的にはただのイケメン→ただの個性派→イケメン個性派ということなのか
    「ただのイケメンと言われるより、個性派イケメンと言われたほうがうれしい。最低限のお芝居ができるって認められてることだけから」。ヒエラルキー的にはただのイケメン→ただの個性派→イケメン個性派ということなのか
  • 数年前は湯を湧かすほど熱い北海道愛を語っていた。結婚したら絶対向うで生活したい、とTVで宣言もした。でも今は・・・「あの頃は友達もいないし、地元に帰りたくてたまらなかった。でも7年たって、今は東京のほうが友達が多くなって・・。時々は北海道弁が出るし拠点は向うにおきたいけど、やっぱり東京はいい」
    数年前は湯を湧かすほど熱い北海道愛を語っていた。結婚したら絶対向うで生活したい、とTVで宣言もした。でも今は・・・「あの頃は友達もいないし、地元に帰りたくてたまらなかった。でも7年たって、今は東京のほうが友達が多くなって・・。時々は北海道弁が出るし拠点は向うにおきたいけど、やっぱり東京はいい」
  • 生活のために「神待ち(一晩の支援者を募る)」をしているユーリ(於保佐代子)は、携帯サイトで神を自称するマキガミ(津田寛治)と出会い、自己啓発セミナーの聖堂に連れて行かれる
    生活のために「神待ち(一晩の支援者を募る)」をしているユーリ(於保佐代子)は、携帯サイトで神を自称するマキガミ(津田寛治)と出会い、自己啓発セミナーの聖堂に連れて行かれる
  • 聖堂でマキガミの洗脳の儀式を受けさせられるユーリ。マキガミはセミナーを管理し、女性信者に修行と称して風俗の仕事を強制していた
    聖堂でマキガミの洗脳の儀式を受けさせられるユーリ。マキガミはセミナーを管理し、女性信者に修行と称して風俗の仕事を強制していた
  • 子供の頃のトラウマを抱えたヒロインのユーリ(於保佐代子)は、足の不自由な同級生、ケンジ(柾木玲弥)に不思議な親しみを感じる
    子供の頃のトラウマを抱えたヒロインのユーリ(於保佐代子)は、足の不自由な同級生、ケンジ(柾木玲弥)に不思議な親しみを感じる
  • 2017年1月15日、代官山で行われた「Girl recruits her God」の披露試写会の舞台挨拶。左から二見悠、原史奈、柾木玲弥、於保佐代子、桜井亜美監督
    2017年1月15日、代官山で行われた「Girl recruits her God」の披露試写会の舞台挨拶。左から二見悠、原史奈、柾木玲弥、於保佐代子、桜井亜美監督
  • 原作の英語Kindle本「Girl recruits her God」。原作と英語字幕つき映画の試写を連動させ、世界にむけたキャンペーン。本の中にオンラインでこの映画が見られるという特典パスワードがあり、英語圏へのRPを狙う
    原作の英語Kindle本「Girl recruits her God」。原作と英語字幕つき映画の試写を連動させ、世界にむけたキャンペーン。本の中にオンラインでこの映画が見られるという特典パスワードがあり、英語圏へのRPを狙う
  • マキガミのもとから帰らないユーリを、ずっと車で待ち続けるケンジ(柾木玲弥)。が、嘘がバレたことをきっかけに、ケンジにも魔の手が・・・
  • 柾木玲弥。北国生まれだけあって、お肌の透明感や抜けるような色白さが際立つ。ファンのあいだでは「ツンデレ」「黙ってればクールなイケメンなのに、トークでもツイッターでも、笑いをとりに変なことをしちゃうキャラが大好き」とギャップ萠え説高し(写真家・伊原正浩氏撮影、以下4点)
  • twitterのプロフィールには、すきま産業、と一言だけ。この役はこの人にやらせたい、この人でないとだめ、と思われる俳優になりたい、という意味だという
  • 「ただのイケメンと言われるより、個性派イケメンと言われたほうがうれしい。最低限のお芝居ができるって認められてることだけから」。ヒエラルキー的にはただのイケメン→ただの個性派→イケメン個性派ということなのか
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  • 生活のために「神待ち(一晩の支援者を募る)」をしているユーリ(於保佐代子)は、携帯サイトで神を自称するマキガミ(津田寛治)と出会い、自己啓発セミナーの聖堂に連れて行かれる
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  • 子供の頃のトラウマを抱えたヒロインのユーリ(於保佐代子)は、足の不自由な同級生、ケンジ(柾木玲弥)に不思議な親しみを感じる
  • 2017年1月15日、代官山で行われた「Girl recruits her God」の披露試写会の舞台挨拶。左から二見悠、原史奈、柾木玲弥、於保佐代子、桜井亜美監督
  • 原作の英語Kindle本「Girl recruits her God」。原作と英語字幕つき映画の試写を連動させ、世界にむけたキャンペーン。本の中にオンラインでこの映画が見られるという特典パスワードがあり、英語圏へのRPを狙う

「あざーっす」なんて脊髄反射の答えは出ない

   ジュノンスーパーボーイの審査員特別賞から役者に。ドラマや映画で幅広い役柄を確かな演技力でこなして評価も高い実力派だけに、「あざーっす」、「ガンパリマース」みたい脊髄反射の答えは出てこないのだ。

   「Girl recruits her God」の映画で柾木が演じるケンジは、上級生のイジメから逃れるために足が不自由な芝居をうつ繊細で屈折した高校生。於保佐代子演じるヒロイン、ユーリとの淡い恋もつかのま、嘘がバレてさらなる修羅場へ投げ込まれるのだが・・・。ヒロインはいくつもの演技賞に輝く本格演技派、津田寛治の演じる教祖マキガミとケンジの間を揺れ動く、という設定だが、不安定でコンプレックスのある高校生の表情は抜群に胸に迫る。

   こんなトリッキーな役をリアルに切なく演じ切った柾木の演技力はハンパなく、今や、ドラマ、映画の難しい役どころが次々に舞い込む。

   友達ゼロ、人体臓器が透視できるエスパー(「みんな!エスパーだよ」)とか、大手企業の人事部長を土下座させる銀行頭取のワガママ御曹司(「就活家族」第1話)とか、「ラブホの上野さん」のエッチ修行に邁進する純情童貞くん・・。みんな一筋縄ではいかない難易度C級のオンパレード。そのうえ今春「君はペット」のレギュラー出演では、「主に笑い担当」という。

「個性派と言われるのはすごくうれしい。演技をしっかりやってるっていうことだから」

   目指すのも阿部サダヲや古田新太らの超個性派名優だ。

   キャラクターも演技力も唯一無二の個性派と言われる柾木には、「ネクストブレイク」なんて冠はもう必要ない。

前髪で役のキャラがわかる

   高一まで札幌近郊の町で生まれ育った。駅まで車、電車とバス1時間半かけて高校に通う高校生には、芸能人も芸能界も遠い宇宙のできごと。「兄夫婦の応募でジュノンスーパーボーイ審査員特別賞になったものの、教室にジュノンボーイを見にきた上級生たちが、どれが本人か分からず帰っていった」。柾木が受賞するなら自分もと、翌年、母校から30人近くがジュノン・スーパーボーイに応募したと笑いをとる。

   高1のデビューで上京したため、地元の友達とのふつうの青春を断念したことがかなり辛かった。それが頑張りのバネになった。本当はかなりの人見知りだが、「よし、行くぞ」とスイッチが入った時の、ツッコミまくるトークのテンションは誰にも負けない。この日の上映後のトークでも、監督や共演者への気配りフォローをしまくり、いつのまにか話をひっぱるMC担当になって会場から拍手を浴びていた。

   ところで柾木の演じ分けの視覚的なキーポイントとなっているのが、前髪だ。

   しょぼいエスパーの役「みんな!エスパーだよ」)では長い前髪で目が見えず、ウブな童貞くん(「ラブホの上野さん」)の時は茶髪の巻き毛でくるんと前髪をたらし、ムカつく就活生(「就活家族」)を演じるときは、ほぼオールバック。どれも別人のように顔がちがっている。

   つまり柾木の前髪をみれば、役のキャラが読める、という理論が成り立つわけだが、それも彼の高い演技力があればこそ。ちなみに柾木オリジナルに一番近いのは、右目を見せない今日のヘア。「行くぞ!」スイッチ、右目に隠してる?

   「恋愛ものだけはやれる自信がない。くどけない童貞役の方のほうがあってる」と言っていた柾木だが、いやいや、「Girl recruits her God」の好きな女の子を待つ男「マツメン」もがつんとハマってますよ!

   この役では珍しく、爽やか高校生っぽいサラサラ前髪が風に揺れる。実力ある個性派イケメンだからこそ次々に難易度高めの役柄が続く中で、傷を抱えながらヒロインを思い続ける等身大の姿に、「ヤバい、切ない」と女性ファンの熱い視線が注がれていた。

   映画「Girl recruits her God」 桜井亜美の小説「girl」英語kindle版である「Girl recruits her God」を脚本映画化したもの。LA UNDERGROUND FILM FORUM、WOMEN'S ONLY ENTERTAINMENT FILM FORUM 共にオフィシャル・セレクションに選ばれている。//thebbb.net/ 経由でネット配信。海外映画祭に出品しながら年内公開を目指す。

   あらすじ 母の不倫を待つあいだ車で脱水症になり死にかけた幼いユーリ。家庭は壊れ、17歳に成長した時、車の中に住んでいた。足が不自由な高校の同級生、ケンジと、お互い心にトラウマを持つ同士、少しずつひひかれていく。だが、生活のためにサポーターを探す「神待ち」をしているユーリは、或る日、危険な相手に出会ってしまう・・・。

   監督 桜井亜美

   キャスト 於保佐代子 柾木玲弥 津田寛治 原史奈 合田京冬 實方由茉 吉居亜希子 二見悠 他

   原作「Girl recruits her God」(Ami Sakurai ) Kindle

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