ファミリー企業 事業承継白書2026:承継の最大の困難は「社員の求心力」、経営者の「想い」は部長層で断絶

株式会社記録と記憶が発表した『ファミリー企業 事業承継白書2026』によると、事業承継期のファミリー企業において、承継における最大の困難は法務・税務手続きではなく「社員の求心力」の維持にあることが明らかになりました。また、経営者の「想い」が組織の階層を下る過程で断絶している実態も浮き彫りになっています。

概要

株式会社記録と記憶は、事業承継期にあるファミリー企業の経営層・管理職層を対象とした「事業承継期の選択構造に関する定量調査」の結果をまとめた『ファミリー企業 事業承継白書2026』を発表しました。本調査では、事業承継の最大の困難が法務・税務ではなく「社員の求心力」にあること、そして経営者の「想い」が組織の階層を下る過程で断絶していることが明らかになりました。

事業承継の主戦場は「手続き」ではなく「人」

本白書によると、事業承継時の最大の苦労として、経営層の45.9%が「社員の求心力・モチベーション維持」を挙げました。これは「税務・法務手続き」(25.4%)や「組織体制の再編」(23.7%)を大きく上回る結果です。また、「顧客・取引先の信頼継続」(33.6%)や「経営戦略の見直し・再構築」(31.6%)といった、人と関係性をめぐる課題も上位を占めました。外部環境においては、人材獲得(45.4%)、人口減少(44.0%)、AI進化(42.3%)といった不確実性が拮抗しており、事業承継期は組織の内外が同時に揺らぐ期間であることが示唆されています。

経営者の「想い」は、本部長と部長の間で途切れる

調査では、会長から課長までの6役職階層822名を対象に、理念理解、創業者エピソード、引き継ぐ責任感の3指標を測定しました。その結果、階層を下るほどこれらの認知は一貫して希薄化することが判明しました。特に、本部長(44.7%)と部長(22.7%)の間には-22.0ポイントという不連続な落差、「断崖」が確認されました。これは、経営に密着する層とその外側の層の境界で、経営者の想いが届きにくくなっていることを示しています。

「伝達ギャップ」:経営者の9割が「伝わっている」と認識も、部長層では26%

「自社の理念は社員・管理職に届いているか」という問いに対し、経営層の89.6%が「届いている」と回答しました。しかし、管理職層で理念を「深く理解している」と答えた部長層は26.1%にとどまり、両者の差は-63.5ポイントに達しました。この「伝達ギャップ」は、多くの経営者が「すでに伝わっている」と感じている一方で、現実には組織の中ほどで想いが止まってしまっているという、事業承継期における最大の盲点であると指摘されています。

まとめ

『ファミリー企業 事業承継白書2026』は、事業承継における最大の課題が手続き面ではなく、社員の求心力維持や経営者の想いの伝達にあることをデータで示しました。特に、経営者の「伝わっている」という認識と、現場の管理職層の理解度との間に存在する大きなギャップは、承継を成功させる上で重要な課題となります。

関連リンク

https://kirokutokioku.jp/download-form/whitepaper/business_succession

https://go.kirokutokioku.jp/download/business_succession

https://kirokutokioku.jp

配信会社から提供を受けたコンテンツやプレスリリースを原文のまま掲載しており、J-CASTトレンドが制作した記事ではありません。お問い合わせは配信会社・プレスリリースの配信元にお願いいたします。