2024年 4月 20日 (土)

暴力美人妻への対処法 逃げるしかないのか

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   DV(ドメスティック・バイオレンス)が一因の殺人というと、渋谷セレブ妻による夫殺しを思い起こすが、井口成人が報告する裁判事例も悲惨なものだ。

やむを得ない量刑かと

   被害者は新婚3か月の妻(28)、夫が加害者である。しかし、日常的に暴力をふるっていたのは妻のほうだった。映像で見る限り、ほっそりとして色白の美形で暴力妻の印象は薄い。

   ディスプレイがグチャグチャになったパソコン、叩きこわされたプリンター、メチャメチャのテレビなどが頻繁に映される。いずれも妻が破壊した痕跡だ。

   「家具は何度、買い換えたかわからない」(公判での夫の供述)

   暴れるきっかけは、夫のメールが減ったとか、夫が「部屋が寒いね」と言ったなど、ささいなことから。エスカレートすると止められなくなったという。

   実は、殺された妻には過去2回の離婚歴があり、いずれもDVがもとで別れている。最初の夫とは出会ってひと月でのスピード婚だったが、初めから暴力が激しかった。

   「鉄アレイを振り回して部屋がガチャガチャになったので片づけていると、『ハッキリ、片づけろって言えよ』と叫んでいた」と、元夫は振り返る。1か月で離婚する。

   離婚後、半年で2度目の結婚をするが、これも3か月で破局。

   直後に知り合った3人目の夫は、妻のために努力を重ね、新築マンションを買い、ウェディングドレスを購入し、イタリアでの挙式を計画したりもする。しかし、「境界性人格障害」を持つとされる妻にとっては、逆効果だったのではないか、と専門家は見る。

   境界性人格障害は、感情のコントロールができず、依存性が強く、相手に見捨てられるのではないかという恐怖感を抱え、むしゃ振りついて行くのが特徴だという。だが、海外挙式など、目標が実現しそうになると、そこで台無しにしてしまうのだという。井口の説明では、離れること、逃げることしか解決法はないとのこと。やっかいである。一方では、空虚感を満たしてくれる存在はどうしても必要で、別れが恐ろしいのだ。「別れよう」と言うとき、怒りがいちばん激しくなったと、夫は言っている。

   妻は、「ヤクザをお前の実家にやってやる。会社にもやってやる。お前の人生をダメにしてやる。あんたを殺すことはわけない」と喚(わめ)いたそうだ。

   室井祐月「旦那さんも彼女の親に相談するとか、病院に連れて行くとかすればよかったのに」

   若一光司「妻本人にも病識がなかったのでは」

   妻は「もう2度と暴れないから。暴れたら殺していいから」と夫に訴えていたという。馬乗りになって両手で首を絞めて殺害した夫は「申し訳ないとは思っていない」と述べた。

   1審での懲役は10年、2審では9年だった。

   大澤孝征「自ら判断しないで専門家の診断を仰ぐべきだったと裁判所はみなしたのだと思う。簡単に同情できないと判断したのだろう。やむを得ない量刑かと思う」

文   アレマ| 似顔絵 池田マコト
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