2024年 4月 26日 (金)

「脳波」でリハビリ手も動く? 日本独自の発想・研究とは

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<テレビウォッチ> アメリカでいま人気のオモチャ。子どもが頭にセンサーをつけて、じっと意識を集中させると、アーラ不思議、筒のなかにあるボールがふわりと浮き上がる。集中力が高いほど、ボールも高く上がる。

   これ実は、脳波を応用したものだ。人間がモノを考える、読む、書く、あらゆる動作で、数百億の脳細胞が微弱な電気信号を出す。これが脳波。例えば数学の計算をしている人の脳波を測ると、計算に集中するほど、信号が強くなる。

動かなかった手に感覚戻る

   これらの測定・データ処理技術の進歩で、特定の脳波を感知して、応用することが可能になった。電気信号は1ボルトの100万分の1というレベルだが、これを頭皮で測定する。センサーは、かつては何百万円もする巨大な機器だったのが、手のひらサイズで数万円というものになった。

   ボールのオモチャは、集中力を扇風機に置き換え、風を起こすようにしただけ。センサーはヘッドホン並みである。開発の最先端では、パネルの絵を見つめるだけで電気をつけたりもできている。

   こうした脳とマシンをつなぐ研究は、主として医療や福祉の分野で米国やドイツが進んでいて、意識で自在に動く車イスとか、ロボット技術の活用で、障害を補助する様々な機器の開発が進んでいる。

   慶応大学と東京都リハビリテーション病院が行っている研究は、驚くべきものだった。脳出血で左手が動かなくなった男性。脳からの信号が左手に届かなくなっているので、左手を台の上に乗せて、まずはその台が動くように訓練をした。

   頭で左手を動かそうと念じる。3か月後に台が動いた。台に乗った左手も動く。するとその信号が脳に伝わり、さらに1か月の訓練で、脳と左手を結ぶ別のルートができて、左手に感覚がもどってきたという。

   国際電気通信基礎技術研究所の川人光男は、「動いたことで、その感覚が脳に伝わり、何年も動かなかった筋肉に指令がいくようになった」と。脳波でマシンを動かすのではなく、動いたことで脳を働かすというのは、日本独自の発想・研究だという。

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